研究課題/領域番号 |
13450119
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
大矢 銀一郎 宇都宮大学, 工学部, 教授 (00006280)
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研究分担者 |
濱崎 勝義 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40143820)
北村 通英 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (90161497)
入江 晃亘 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (90241843)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 酸化物高温超伝導体 / (Bi_<1-x>Pb_x)_2Sr_2CaCu_2O_y / 固有ジョセフソン接合 / ジョセフソン効果 / 準粒子トンネリング / d波超伝導体 / クーロン・ブロッケイド / サブギャップ構造 |
研究概要 |
本研究は、層状酸化物高温超伝導体(Bi_<1-x>Pb_x)_2Sr_2CaCu_2O_y(0≦x≦0.2)単結晶(転移温度T_c〜85K)に内在するイントリンシック・ジョセフソン結合超格子[超伝導CuO_2層(0.3nm厚)がその他の半導体ないし絶縁体層(1.2nm厚)と原子層スケールで交互に自然積層し、その非金属層を介してジョセフソン・トンネル結合することにより形成されるジョセフソン接合自然超格子]をサブμmまで微小化することにより、同超格子におけるジョセフソン・トンネル特性の本質を明らかにして、これを基礎にメゾスコピック現象の発現解明と制御を行い、そのデバイス応用への知見をも得ることが目的である。 本研究で得られた成果は次のようにまとめられる。 1.接合サイズが0.7×0.7μm^2までの微小矩形メサ構造のイントリンシック・ジョセフソン接合超格子素子製作技術を開発した。接合サイズがμmオーダーの立体構造素子の製作技術も開発した。 2.微小素子では発熱効果が抑制され、その電流-電圧特性上に明確なエネルギーギャップ構造を観測することに成功した。観測されたギャップ値Δ(4.2K)は、xに依存せず25-30meVであった。 3.このギャップ構造を示す準粒子トンネル電流-電圧特性の全形を説明する理論モデルを構築した。 4.このギャップ構造の内部にx、温度、弱磁界に依存しない微細なサブギャップ構造も観測された。これは、交流ジョセフソン電流と光学ラマンフォノンとの相互作用に起因していると解釈された。 5.Bi_2Sr_2CaCu_2O_yの4.2Kにおける素子の臨界電流密度J_cは、接合サイズがサブμmに減少し接合数Nが増大すると、大きく減少する。これは微小超格子に生じたクーロン・ブロッケイド効果によるものと判断された。これを基に、単電子対トンネル素子を試作したが、特性を明確にはできなかった。
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