研究課題/領域番号 |
13450120
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
吉田 貞史 埼玉大学, 工学部, 教授 (70302510)
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研究分担者 |
土方 泰斗 埼玉大学, 工学部, 助手 (70322021)
矢口 裕之 埼玉大学, 工学部, 助教授 (50239737)
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キーワード | IV族半導体 / 炭化珪素(SiC) / 酸化膜 / 界面 / 分光エリプソメトリ / X線光電子分光 |
研究概要 |
分光エリプソメトリを用いてSiC結晶上の熱酸化による酸化膜および堆積酸化膜の酸化膜/SiC界面の解析を進めるとともに、酸化膜形成後の種々の熱処理による変化を調べ、電気的特性との対応を議論した。また、これらの酸化膜界面の組成および原子結合状態をX線光電子分光法で調べた。分光エリプソメトリを用いる解析法では、我々が開発した傾斜状酸化膜を作製して行った。この手法により、我々はすでに、酸化膜/SiC界面にはSiCやSiO_2より屈折率の大きな界面層が存在することを明らかにしていた。今年度は、この界面層の屈折率が酸化膜形成法に依存することを見出した。具体的には、乾燥酸化やパイロジェニック酸化に比べて低温CVD酸化膜では界面層の屈折率が小さいことや、酸化後急冷した試料における界面層の屈折率に比べて、アルゴン雰囲気中でアニールした試料における界面層の屈折率の方が小さいことを見出した。これらの結果は、電気的測定によって求められた界面準位密度の大小によく対応しており、界面層の屈折率が界面準位を形成する原因と密接に関係していることを示唆している。ただし、ウエット再酸化など、水素が関与するプロセスによって得られた酸化膜については、界面層の屈折率の大小関係と電気的特性とは必ずしも対応していなかった。これは、酸化とともに、水素によるダングリングボンドの終端が起きて界面準位密度が下がるなど、その機構が複雑であるためと考えられる。また、酸化膜形成における界面の変化を明らかにすることを目的として酸化過程観測用高温炉を設計・作製し、予備的な実験を行った。さらに、顕微FT-IRを用いて、SiCバルク結晶における電気的特性の分布を測定する手法を開発し、4H-,6H-SiCウエハのキャリア濃度および移動度の分布が測定できることを示した。
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