研究課題/領域番号 |
13450124
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小長井 誠 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40111653)
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研究分担者 |
山田 明 東京工業大学, 量子効果エレクトロニクス研究センター, 助教授 (40220363)
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キーワード | ヒ化インジウム / III-V族化合物半導体 / 単一電子デバイス / 原子間力顕微鏡 / ナノ加工 / 量子ドット |
研究概要 |
昨年度に行ったInAs量子ドットの試作の結果、基板温度530℃と比較的高温での成長時に、量子ドットが低密度になることが分かった。また、基板温度480℃で成長した後に、その場で530℃の熱処理を施すことによっても低密度になるとの初期的な知見が得られた。 そこで、平成14年度は、まず、これらの現象の確認実験を繰り返した結果、1.成長後に熱処理すると、複数のドットが結合すること、2.結合したドットは、ステップ端付近に密集する性質があることを見いだした。また、この熱処理過程で、再現性良く量子ドットの密度が減少することが明らかになった。 これらの現象を、理論的に理解するために、基板上での量子ドットの移動と、熱による表面からの離脱過程をモデル化し、理論と熱処理による実験結果を比較した結果、基板表面でのドットのマイグレーションは、3.4eVの活性化エネルギーをもつことが明らかとなった。 また、InAs量子ドットの位置制御の方策として、AFM陽極酸化と、それに続く選択エッチングによりナノメートルサイズの溝構造を形成し、この溝にInAs量子ドットを選択的に成長させる実験を開始した。この研究により、溝付近に量子ドットが集まりやすいという知見が得られたが、まだ完全な位置制御、すなわち溝部分のみにドットが成長する状態にはなっておらず、引き続き位置制御に向けた研究開発が必要である。今後は、よりサイズの小さい溝構造を作製し、完全な位置制御が可能となる条件を見出していく。
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