研究課題/領域番号 |
13450127
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木村 健二 京都大学, 工学研究科, 教授 (50127073)
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研究分担者 |
大串 秀世 産業技術総合研究所, 新炭素系材料研究開発センター, 総括主任研究官
中嶋 薫 京都大学, 工学研究科, 助手 (80293885)
鈴木 基文 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00346040)
長谷川 雅考 産業技術総合研究所, 新炭素系材料研究開発センター, 主任研究官
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | CVDダイヤモンド / 水素分析 / 高分解能 / 反跳粒子検出法 / 表面伝導層 |
研究概要 |
現有の超小型高分解能RBS装置に付設して、高分解能反跳粒子検出法が可能な磁場型のエネルギー分析器を設計・製作した。その際に、いわゆるkinematic broadeningにより深さ分解能が低下することを避けるため、静電型の4重極レンズを分析器と試料の間に設置した。また、水素を測定する1次元位置検出器用に、パーソナルコンピューターと高速のADCボードを組み合わせた、新たな2次元データ収集システムを開発した。これを用いることにより、ノイズの低減と水素検出感度の向上に成功した。500keVの炭素イオンをプローブイオンに使用して、この高分解能反跳粒子検出装置の性能を評価したところ、4重極レンズを働かせることにより深さ分解能0.2nmで水素分布の測定が可能であった。また、静電型の偏向器によって散乱炭素イオンを除去することにより、0.5at%以下の水素を検出することができることを示せた。さらに、CVDダイヤモンドの表面伝導層に対する熱処理の影響を検討して表面伝導層の発現機構を探るため、高分解能ERD装置内で熱処理と、電気伝導の測定が可能になるように装置の改良も行った。 開発した装置を用いて、CVDダイヤモンドの水素分布を測定したところ、ほとんどの水素は表面に存在するものの、一部の水素は表面下0.5〜1nmの領域にも存在することが分かった。この水素分布が、ホウ素のドーピングの有無や400℃の熱処理、酸化後の水素プラズマによる再水素化、などによりどのように変化するかを調べた。その結果、ホウ素のドーピングによる影響はほとんどなく、400℃のアニールによっても水素分布はほとんど変化しなかった。また、酸化による水素除去後の水素プラズマによる再水素化で、水素の分布はほとんど元通りに回復することが分かった。
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