研究課題/領域番号 |
13450133
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三村 秀典 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (90144055)
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研究分担者 |
嶋脇 秀隆 八戸工業大学, 工学部, 助教授 (80241587)
佐藤 信之 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (10178759)
横尾 邦義 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (60005428)
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キーワード | GaAs微小電子源 / ガン効果 / 変調電子ビーム / マイクロ波・ミリ波発生 / バンチビーム / 真空・半導体融合デバイス |
研究概要 |
微小電子源から直接変調電子ビーム(電子のパルス列)が発生できる微小電子源の開発を目指し、GaAsのガン効果を利用した微小電子源の開発を行った。このような、電子源が実現できれば、マイクロ波、ミリ波帯領域で高効率な電磁波を発生できる新規なデバイスを開発できる。またこれは、真空・半導体デバイスの融合である。 1.GaAsガン効果ダイオードを製作し、その素子構造と発振特性の関係の詳細な解析を行った。その結果、エミッタ構造でGaAsのガン効果を起こすためには、アスペクト比が10以上のGaAsエミッタを製作する必要があることがわかった。この結果から、GaAsガン効果ダイオード用の基板を製作し、この基板を電子サイクロトロン共鳴(ECR)ドライエッチングとウエットエッチングを組み合わせて加工し、アスペクト比が10以上の1ティップのGaAsエミッタを製作することに成功した。 2.1ティップのGaAsエミッタの電子放射特性を測定し、電流の飽和を観察した。この飽和特性は、GaAsのガン効果によるものと考えられ、このGaAsエミッタがガン効果を起こしている(変調電子ビームが出ている)間接証拠を得た。 3.1ティップのGaAsエミッタから変調電子ビームが出ていることを直接検証するため、変調電子ビームの周波数計測システムを設計し、測定装置を完成させた。現在、変調電子ビームの直接検証実験を行なっている。 4.1ティップのGaAsエミッタでは放射電流量が小さいため、より実用に近い電子源を開発することを目指し、アレイ構造を持つGaAsガン効果エミッタの製作を進めている。
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