あらゆるとこに有線ならびにワイヤレスのネットワークが張り巡らされ我々はいつでも、どこでも、誰とでも、どんな情報でも発信し共有できるようになってきた。IT文明とも称されるネットワーク社会において、「意味ある情報」とは何かという問いこたえることを目的としている。人の血液を極微量サンプリングして、pHやイオン濃度を測定するヘルスケアチップの開発が進められているが、さらに消化器官、例えば胃の消化液などpHやイオン濃度が測定できるならこれこそ「意味ある情報」のひとつである。ヘルスケアチップは早晩mmオーダーの大きさで実現すると予測される。本研究では、体内に投入したセンサーチップと体外との情報やりとりを可能とするin vivo通信チップの開発を目的とする。そのために、利用周波数帯の決定から、アンテナを搭載したmmサイズ通信チップの具現化を行う。 本研究では、ISM帯である2.4GHz帯と13.56MHz帯に着目し、模擬体内・体外間の電波減衰特性の測定を行った。人体減衰量の実測結果を元に、通信するデータ量がkbit程度であるならば、体外からエネルギーを伝送し、体内チップにバッテリなどを搭載しなくても通信が可能であることを実験的に明らかにした。周波数13.56MHzの電磁結合方式を用いることにより、人体内外の通信を可能とする通信チップの試作を行った。シミュレーションにより、PIM通信を行うことにより、バッテリーレスでpHの送信が可能であることを確認した。
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