2001 年度実績報告書

ノイズシューピング能動センシングに基づく超高感度イメージセンサに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号	13450140
研究機関	静岡大学
研究代表者	川人祥二静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (40204763)
キーワード	イメージセンサ / 高感度 / ノイズ低減処理 / オーバーサンプリング / 最小2乗推定
研究概要	本研究は、光電子増倍のような特殊な技術を用いることなく、オーバーサンプリング信号処理に基づく新しい雑音低減技術により超高感度撮像を実現することを目的としている。特に、信号蓄積途中の信号を非破壊で読み出すことができるCMOSイメージセンサの出力を用いて、その高速画像間に強い相関があることを利用して信号を予測し、雑音低減を図るものである。その方式としてこれまで4つの関連する方式を提案している。1つの方式としては、信号蓄積途中の画像を高速に取り出せるイメージセンサにおいて、その信号レベルとリセットレベルを列読み出し回路の初段で高ゲインで増幅し、その出力を高精度でA/D変換し、画素毎にディジタル積分する。その結果をD/A変換した信号を、アンプ前にフィードバックする。これによって、ディジタル積分を行っても雑音の蓄積がなく、列読み出しアンプによって、量子化雑音やアンプ後の広帯域雑音が大幅に軽減できる。また、蓄積途中の信号間に相関が強いことを利用し、雑音成分を予測し、ノイズ低減を図る。このノイズ低減法としては、ディジタル低域フィルタや、多項式最小2乗法による振幅推定を行うものである。これを実際のCMOS型イメージセンサの素子パラメータと、新しく構築したノイズ計算モデルに基づき計算を行ったところ、その等価雑音電子数を、列読み出しアンプの増幅度が8倍の場合において、最小2乗法を用いない場合で、約2.9電子、最小二乗法によるノイズ低減処理を行った場合で、約1.3電子まで低減できることを見積もることができた。また、提案手法によるノイズ低減効果を確認するためのテスト回路を、0.6um CMOS技術により試作することを目的とし、その設計を行った。画素構造の違いによる感度、暗電流の評価などを目的とし、256画素の8種類のラインセンサと増幅機能を備えたものであり、提案する手法を実測に基づき、その有効性を確認することができる。以上の成果は、CCDと先端イメージセンサに関する国際ワークショップ、SPIE及びIMTCの国際会議にて発表、採択されている。

研究成果
(6件)

すべてその他

すべて文献書誌 (6件)

[文献書誌] S.Kawahito, N.Kawai, Y.Tadokoro: "A high-sensitivity oversampling digital signal detection technique for CMOS image sensors using non-destructive intermediate high-speed readout mode"Proc. 2001 IEEE Workshop on Charge-Coupled Devices and Advanced Image Sensors. 24-27 (2001)
[文献書誌] S.Kawahito, N.Kawai: "A low-noise signal detection technique in CMOS image sensors using frame-oversampling and non-destructive high-speed readout"Summary Digest, SPIE Annual Symposium on Electronic Imaging. 196 (2002)
[文献書誌] N.Kawai, S.Kawahito: "A low-noise oversampling signal detection technique for CMOS image sensor"Proc. Instrumentation and Measurement Technology Conference. (6月発行). (2002)
[文献書誌] 川人祥二, 河合信宏, 田所嘉昭: "オーバーサンプリング信号処理に基づく高感度ディジタルCMOSイメージセンサ"映像情報メディア学会技術報告. IPU2001-21. 25-30 (2001)
[文献書誌] 河合信宏, 川人祥二, 田所嘉昭: "フレームオーバーサンプリングによる高感度イメージセンサの検討"映像情報メディア学会2001年度年次大会予稿集. 25-3. 368-369 (2001)
[文献書誌] 川人祥二, 河合信宏, 田所嘉昭: "フレームオーバーサンプリングと非破壊中間読み出しによる高感度イメージセンサの検討"映像情報メディア学会技術報告. IPU2001-61. 67-72 (2001)

2001 年度 実績報告書

ノイズシューピング能動センシングに基づく超高感度イメージセンサに関する研究

研究代表者

川人 祥二 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (40204763)

研究成果

[文献書誌] S.Kawahito, N.Kawai, Y.Tadokoro: "A high-sensitivity oversampling digital signal detection technique for CMOS image sensors using non-destructive intermediate high-speed readout mode"Proc. 2001 IEEE Workshop on Charge-Coupled Devices and Advanced Image Sensors. 24-27 (2001)

[文献書誌] S.Kawahito, N.Kawai: "A low-noise signal detection technique in CMOS image sensors using frame-oversampling and non-destructive high-speed readout"Summary Digest, SPIE Annual Symposium on Electronic Imaging. 196 (2002)

[文献書誌] N.Kawai, S.Kawahito: "A low-noise oversampling signal detection technique for CMOS image sensor"Proc. Instrumentation and Measurement Technology Conference. (6月発行). (2002)

[文献書誌] 川人祥二, 河合信宏, 田所嘉昭: "オーバーサンプリング信号処理に基づく高感度ディジタルCMOSイメージセンサ"映像情報メディア学会技術報告. IPU2001-21. 25-30 (2001)

[文献書誌] 河合信宏, 川人祥二, 田所嘉昭: "フレームオーバーサンプリングによる高感度イメージセンサの検討"映像情報メディア学会2001年度年次大会予稿集. 25-3. 368-369 (2001)

[文献書誌] 川人祥二, 河合信宏, 田所嘉昭: "フレームオーバーサンプリングと非破壊中間読み出しによる高感度イメージセンサの検討"映像情報メディア学会技術報告. IPU2001-61. 67-72 (2001)

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川人祥二静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (40204763)