研究課題/領域番号 |
13450142
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 錠彦 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (00029448)
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研究分担者 |
塩見 英久 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (00324822)
田中 拓男 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (40283733)
村田 博司 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 講師 (20239528)
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キーワード | 光ミキシング / マイクロ波トランジスタ / HEMT / 近接場光 / マイクロ波回路 / サイドゲート効果 / サブキャリアミキシング |
研究概要 |
本研究は、近接場光を用いて光ミキシング実験、光波-マイクロ波・ミリ波間のミキシング実験を行うことで、高周波トランジスタにおける光ミキシング、光波-マイクロ波・ミリ波相互作用のメカニズムを調べて高速応答性を追求すること、および新しい機能や応用の可能性を探ることを目的とする。本年度は、下記の研究成果を得た。 1. トランジスタの動作解析とマイクロ波回路の設計・試作 Kバンドで動作する市販のHEMTを用いて、光照射および顕微ステージ装着のためのマウントおよび給電回路系を設計、試作した。また、HEMTとバイアス回路・入出力整合回路あるいは帰還回路を基板上に集積化したマイクロ波増幅器、発振器の設計、試作も行い、その動作を確認した。 2. HEMTの光応答の照射位置による変化とその応用 2.で作製したHEMTに、波長400nm(8160)16800nmのCWレーザー光を顕微鏡対物レンズにより集光して照射して、HEMTの低周波特性、マイクロ波特性およびHEMTを用いたマイクロ波増幅器、発振器の光応答特性を、光照射条件、バイアス電圧を変えながら詳細に調べた。波長による光応答の著しい変化は見られなかったものの、光照射位置に対しては大きな差異がみられた。HEMTのゲート近傍に光を照射した場合はドレイン電流が増加したが、照射位置をゲート領域から少しずらせると光照射によりドレイン電流が減少した。これは、サイドゲート効果によるものと思われる。この現象を利用した光制御マイクロ波発振回路、ラッチング回路への応用について考察して基本動作実験を行った。 3. 光ミキシング実験 サブキャリア変調光をHEMTのゲート近傍に照射するとともに、ゲート端子からマイクロ波信号を入力して、サブキャリア光変調信号の検波・復調実験を行った。マイクロ波帯で良好な特性が得られ、ミリ波帯での光ミキシングのための基礎データを得ることができた。
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