研究課題/領域番号 |
13450146
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
黒木 幸令 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (40234596)
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研究分担者 |
池田 晃裕 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (60315124)
服部 励治 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (60221503)
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キーワード | 感光性ガラス / マイクロキャピラリーチップ / アクリルアミドコーティング / 電気泳動 / 電気浸透流 / アミノ酸 / DNAラダー |
研究概要 |
今年度我々が得た結果は以下のとおりである. (1)我々が作製した感光性ガラス基板マイクロキャピラリーチップに、アクリルアミドコーティングを行なった。そのコーティングの効果を評価するために、電気的に中性試料であるローダミンBをコーティング有り、無しのチップで電気泳動し、電気浸透流が制御できていることを確認した。またコーティング無しのチップの電気浸透流速度を測定した。 (2)またコーティングの効果測定として、蛍光修飾剤であるフルオレセインをコーティング有り、無しのチップで電気泳動しチップの特性を評価した。コーティング有りのチップのほうが、分散が抑えられ、検出所要時間も短く、鋭いピークを得ることができた。またチップの特性を表す理論段数を算出することができ、コーティング無しのチップでは22455段、コーティング有りのチップでは44757段となり、約2倍の性能を得られることがわかった。 (3)コーティングを施したマイクロキャピラリーチップを用いて、蛍光修飾された3種類のアミノ酸を電気泳動し、分離、検出することができた。アミノ酸の分離、検出は、タンパク質の1次構造を知るために非常に重要であり、有用である。また、その分離された1つのピークに注目し、その結果から分散を計算し、我々のチップは熱放出において改善の余地があるという結論を得た。 (4)またコーティングを施したマイクロキャピラリーチップを用いて、DNAラダーを電気泳動し分離した。100塩基ごとに分離できピークを得ることができたが、600塩基から以降の大きなDNAでは移動度にあまり差がなく、現在のチップでは完全に分離することは困難であった。この点に関しては、キャピラリー長さを確保するために折れ曲がり形状のチップを作製することにより、移動度の差が小さくても分離が可能になるであろうと考えられた。
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