研究課題/領域番号 |
13450148
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
宮下 豊勝 龍谷大学, 理工学部, 教授 (00026238)
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研究分担者 |
斉藤 光徳 龍谷大学, 理工学部, 教授 (60205680)
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キーワード | ソニック結晶 / ソニック結晶導波路 / スラブ型ソニック結晶 / スラブ型ソニック結晶導波路 / FDTD法 / フル・バンドギャップ / フォトニック結晶 |
研究概要 |
平成14年度の研究実績の概要 1.任意形状媒質中の2次元音響波動伝搬を計算するFDTD法を用いた波動伝搬シミュレーションにより得られた透過率周波数特性と、定量的に一致する「波長に比して長いアクリル樹脂円柱を空気中に周期配列した擬似的2次元ソニック結晶」の透過率周波数特性の実測値が求まった。さらに、トーン・バースト法による透過波の過渡波形についても、数値計算と実測との良い一致が得られ、我々が音響伝搬解析用に定式化したFDTD法によるシミュレーションの有効性を示した。 2.「波長に比して短いアルミニウム円柱を空気中に周期配列した3次元スラブ型ソニック結晶」の透過率周波数特性を高精度に実測することができた。特に周りの支持物体を伝搬する弾性波の除去と、トーン・バースト法による時間ゲート、さらに定常応答部の時間的切り出し、カーブ・フィッティング法を駆使した。この3次元スラブ形状の擬似的2次元波動伝搬路の実現により、ソニック結晶導波路を主とした音響回路構成の可能性を示した。 3.2次元音響場と電磁場の対応関係を導いて、ホストと散乱体の媒質パラメータの組合せをソニック結晶とフォトニック結晶に共通に論じることができる共通パラメータ空間を導入した。 4.これまでのFDTD法を用いた数値的解析法による研究において、フォトニック結晶で注目されている性質を理想的に具備したソニック結晶であることが期待された「寒天ゲル中に空気円柱を周期配列したスラブ型ソニック結晶」と同様の媒質の組み合わせと評価される「シリコン・ゲル中空気円柱配列のスラブ型ソニック結晶」の製作方法を確立した。 5.ソニック結晶で作った導波路の分散特性を数値計算的に求め、その特性をフォトニック結晶で作った導波路と比較して論じた。特に、対称な横モードと非対称な横モード間に大きな伝搬定数の違いが特徴的に見られた。 6.光の薄膜導波路の場合のように、音響波を側面から2次元ソニック結晶導波路へ効率良く結合させる条件をシミュレーションにおいて見付けた。波動伝搬制御のみならずソニック結晶導波路を波動計測に用いたり、音響回路を構成する可能性を示すことができた。
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