研究課題/領域番号 |
13450157
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
情報通信工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉田 進 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50026324)
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研究分担者 |
村田 英一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60252475)
廣瀬 勝一 京都大学, 情報学研究科, 講師 (20228836)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 時空符号化 / 空間多重 / MIMO / トレリス符号化 / 干渉キャンセラ / 伝送実験 / マルチユーザ受信 / 最尤推定 |
研究概要 |
本研究では、無線通信システムが抱える最大の課題である周波数利用効率の改善を目的として、特に時空符号化技術やMIMOチャネル伝送技術として知られる伝送方式について研究を行った。この技術の特徴は、無拡散信号の複数同時送信であり、この複数の信号に同一情報を乗せれば時空符号化によるダイバーシチ効果が、異なった情報を乗せれば空間多重伝送による容量拡大効果が得られる。本研究では、我々が研究を進めてきたトレリス符号化同一チャネル干渉波キャンセラ(TCC)がマルチユーザシナリオにおける空間多重技術そのものであり、しかも時空符号化技術のマルチユーザ版とも言えることに着目し、近年MIMOシナリオで仮定される多数のアンテナの利用を前提としてTCCの特性改善を行った。特に、大学の研究機関ではほとんど実施されることのないRF帯伝送実験まで行い、TCC技術の基本動作を実証した。本研究で得られた知見を以下にまとめる。 ●空間多重伝送においてよく知られたBLAST方式に比べ、最適処理を基本とするTCCは演算量を削減した状態でも特性が大きく優れること ●空間多重において問題とされるアンテナ間相関に対しても、トレリス符号化変調を適用したTCCは無符号化方式に対して特性が大きく優れること ●TCC方式の符号化は改善の余地があり、今回の研究でも特性が大きく改善されたこと ●TCC方式は最適アプローチであるため演算量が大きいが、実際にはある程度の特性劣化を許容すれば劇的な演算量削減が可能であること(約1125兆状態を16状態に) ●ダイバーシチ効果を目的とする時空符号化技術の基本方式と比較しても、各信号で独立に符号化を行うTCCが現実的条件において特性が優れること ●これら時空符号化、MIMOチャネル伝送技術関連ではいくつかの伝送実験の報告があるが、我々の知る限り、誤り率が計算機シミュレーションと正確に一致する初めての伝送実験に成功し、その有効性を実証できたこと
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