研究課題/領域番号 |
13450160
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
山本 平一 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (40243357)
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研究分担者 |
知念 賢一 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (20304157)
岡田 実 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (10252587)
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キーワード | アレイアンテナ / OFDM / 地上波デジタル放送 / 高速移動受信 / ドップラー / 空間内挿 |
研究概要 |
地上波ディジタル放送や無線LAN(Local Area Network)で用いられているOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)は、マルチパスの遅延分散に対する耐性が高く、マルチパスが問題となる移動通信システムにおける広帯域伝送方式として有効であることが知られている。しかし、OFDMでは、多数の副搬送波が非常に狭い周波数間隔で配置されており、移動体が高速に移動するために生じる伝搬路の高速時変動が大きな問題となる。 本研究では、この問題を解決するため、移動体の進行方向に配置した直線アレーアンテナを用いて、大地に対して静止した点における受信信号を推定する空間内挿型アレーアンテナの検討を行う。まず、本空間内挿型アレーアンテナの伝送特性を明らかにするため、計算機シミュレーションを行った。ここでは、アンテナ間の相互結合の影響や、速度推定誤差などの影響を考慮に入れたシミュレーションを行った。その結果、提案手法では、相互結合の影響をキャンセルする回路が必要となるが、その精度はそれほど高くないもので十分であることがわかった。また、速度推定誤差に関しても10%以内であれば問題ないことを示した。また、空間内挿と同時に空間ダイバーシチを行うことで、フェージングの振幅レベル変動による特性劣化を補償する方式を提案し、大幅な特性改善が可能であることを明らかにした。 次に、提案空間内挿型アレーアンテナの動作を実証するため、実際にアレーアンテナを作成し、基本特性の測定を行った。その結果、空間内挿処理を行うことにより、移動体の移動に伴う伝搬路の時変動を大幅に削減することができることを明らかにした。 さらに、ハードウェア規模を削減するため、内挿処理を行う代わりにアンテナを切り替える構成のアレーアンテナを提案し、その効果を計算機シミュレーションにより明らかにした。
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