研究概要 |
本研究の目的は画像データから直接生成された回路を用いて,ナノ秒オーダの高速画像理解処理を実現することである.ナノ秒オーダの画像認識(理解)処理は,現在のの高速プロセッサを持ってしても実現できないタスクであり,専用ハードウェアが不可欠である.本研究で提案する画像データの直接回路化は,従来の汎用プロセッサとソフトウェア処理による画像理解処理とは全く異なるアプローチである.この基本的なアイデアの有効性を評価するために「Parzen Window法」と「確率的ニューラルネットワーク」に着目した.両手法とも,多数のサンプル画像に基づく関数を用いる.この関数を回路化することで両像の直接回路化が可能となる。 昨年度より,再構成可能集積回路(FPGA : Field Programmable Gate Array)を用いた試作機の開発に着手した.昨年度の成果をベースに開発を推進し,以下を得た. 1)進化的手法(Genetic Algorithm等)により,Window関数を最適化できることがわかった.これにより,認識率を更に向上できることが判明し,顔画像認識システムの改良を行った. 2)進化的手法により,画像だけではなく,一般的なパターンデータにも本提案手法が適用可能なことがわかった.これにより,ソナー信号の高速認識システムの開発にも着手した. 3)確率的ニューラルネットワークによる高速動画像システムの開発を進め,PCとの接続と高速インターフェース回路の提案,実装を行った.これにより,PCにストアした画像データやインターネット上の画像を取り込むことができ,認識率を精度良く評価できる.また,画像の前処理として主成分分析が有効なことがわかり,主成分抽出回路の設計とその実装を行った.
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