研究分担者 |
加納 慎一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00282103)
渡邉 高志 東北大学, 情報シナジーセンター, 助教授 (90250696)
二見 亮弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20156938)
半田 康延 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (00111790)
中谷 裕教 東北大学, 理化学研究所・脳科学総合研究センター, 研究員(研究職) (30333868)
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研究概要 |
使用者の残存機能を制限することのない福祉機器の随意的制御を可能にするために,ヒトから計測される生体信号の検出・弁別手法の開発を行うことを目的として研究を行った. 1.フィードバック制御によるFESのための生体信号計測手法の開発 FESにおけるフィードバック制御のためには,被適用者の姿勢・動作,各筋の発揮張力などを高精度に計測する必要がある.この要求にこたえるために,まず,圧力センサ,ゴニオメータ,ジャイロスコープなどにより運動中の被験者の関節角度などの身体姿勢,上下肢の動作フェーズおよび速度,加速度を計測するシステムを構築し,評価を行った.システムは健常者での実験で良好に動作をし,精度の高い情報を得ることが可能であることが示された.次に,上肢で計測した表面筋電図から発揮張力を推定するアルゴリズムについて検討を行った結果,筋電図の計測のみによって上肢筋の発揮張力が比較的良好に推定することが可能となる途が開かれた. 2.制御命令入力システムの構築に関する検討 麻痺患者の残存機能を制限しないでFES刺激装置への制御入力を得るためのインターフェース手法について検討を行った.被験者の脳波,眼電図,頭部動作を検出し,それをFES刺激装置の制御入力とするためのアルゴリズムとその実装についての検討を行った. 3.表面電極による皮膚インピーダンスの高精度計測に関する検討 FES装置からの表面電極による電気刺激,およびFES装置から被適用者への情報呈示を行う際に重要となる,皮膚のインピーダンス特性を高精度,かつ簡易に計測する手法を開発した.従来の皮膚インピーダンス計測手法を整理し,その理論的問題点を検討した結果,高速に高精度のインピーダンスを計測することが可能となった.本手法の応用例としてヒトの経穴周辺におけるインピーダンス軌跡を計測したところ,経穴の位置をインピーダンスの周波数特性から高速に推定できる可能性も示された.
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