研究概要 |
1.従来からの経緯 昨年度までは,ペンタブレット,タッチパネルディスプレイを用いて,メンタルイメージ生成を実現するインタラクティブ音響呈示システムについて検討してきた.その結果,メンタルイメージ生成は可能であるものの効率の点で,改善の余地のあることがわかった. 2.今年度の研究実績の概要 新たに,指先誘導マニピュレータを用いたメンタルイメージ生成支援システムを考案,設計,試作,メンタルイメージ生成に関する基本性能確認実験を行った.このシステムにより,視覚障害者に形状を伝えることができれば,メンタルイメージ生成の手助けになると期待される. (1)指先誘導マニピュレータの考案,設計,試作 2自由度回転型パラレルリンクマニピュレーターとを用いた指先位置呈示装置を試作する.動作範囲を検討し,マニピュレーターの総リンク長,呈示矩形縦横比を一定とする条件の下で,矩形面積を最大化できるリンク長上・下肢比を求めた.また,リンク長(左右各2個),サーボモータ間隔,タッチパネルディスプレイ座標系の並進移動量(2個)と回転角度,タッチパネルディスプレイの画素の縦横比,サーボモータ指令値/回転角度変換のための0次係数(2個)と1次係数(2個),計13個ものパラメータを較正する手法を開発し,絶対位置決め精度(標準偏差)を較正前の30〜40[pixe1] (=10〜13mm)から5〜7pixe1 (1.5〜2.0mm)へと大幅に向上させた. (2)メンタルイメージ生成に関する基本性能確認実験 指先誘導マニピュレータを用いて,簡単な図形の形状を知覚させるメンタルイメージ生成に関する心理物理実験を健常者に対して行い,構築したシステムを評価した.その結果,指先誘導マニピュレータを利用することで,触図に比べれば知覚時間が50%程度増加するものの,メンタルイメージが生成できることを確認した.
|