研究概要 |
人間が知的存在足りうる機能:学習機能、連想記憶機能、カオス・創造機能、その他について、主に研究を重ねてきた。以下、各部分について研究成果概要を示す。 1.学習:本研究における学習とは、環境との相互作用とその結果得られる報酬で学習を行っていく、いわゆる強化学習を意味している。 1)試行錯誤の意思決定に用いる確率密度関数を非対称とした効率的な探索法で学習の高速化を実現した。 2)従来の強化学習システムは時間的に固定されたパラメータにより構成されており、動的な部分観測環境下で適切な政索を獲得することは困難となる。そこで、時変パラメータの概念を導入し、環境の急激な時間的な変化に適応することを可能とした方式を実現した。 2.連想記憶:カオスを絡めた連想記憶研究は、人間の記憶の連想想起がカオスに関連しているとみられていることから、精力的に研究がなされている。 1)複数の記憶パターンが互いに相関を持つ場合を想定し、記憶パターンが互いに高い相関を持つ場合も、記憶している行動を容易に想起可能とするカオスニューラルネットワークを提案した。 2)時系列データの連想記憶,特に,複数の時系列データにおいてその先頭のみが一致し,続く時系列データが異なる1対多の時系列データの連想記憶・想起方式を実現した。 3.カオス制御・カオス時系列予測: 1)システムが非カオス状態であれば静的過ぎ、カオス状態であれば動的過ぎて情報は途中で壊れてしまう。静的過ぎず、動的過ぎないその境界(カオスの縁)でのみ情報が適度に保持・伝達され安定性と流動性のバランスが保てる。この考え方をカオスシステムの制御に導入した制御方式を提案し、ロバストなカオス制御を実現した。 2)確率的政索探索強化学習によるカオス時系列予測方式を提案し、高精度な予測を実現した。
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