研究概要 |
平成13年度はアンボンド芯材を用いたUBRC橋脚を適用することにより,合理的に二段階耐震設計を行うための検討を行った. ・二段階耐震設計法により設計されたRC橋脚断面が,レベル2地震動により決定され,レベル1地震動に対しては過剰設計になっていることを道路橋示方書に基づいて解析的に示した. ・アンボンド芯材をRC橋脚の内部に配置することにより,安定した正の二次剛性が発現できるUBRC橋脚を利用して,断面寸法を従来設計のそれより小さくして,二段階耐震設計を行った.その結果,断面の面積をRC橋脚の81%にしても,芯材を導入することにより,従前のRC橋脚以上の最大耐力を実現できることをファイバーモデルを用いた解析により示した.また実験的に確認するために,従前のRC橋脚および縮小断面を有するUBRC橋脚を想定した供試体を作成し,それぞれに対して正負交番載荷実験を行い,作成した供試体を想定した構造特性を有していることを実証した. ・UBRC橋脚の残留変位などの地震時における耐震性能を確認するために,実験と解析を組み合わせたハイブリッド実験を行った.その結果,縮小断面を有するUBRC橋脚は,レベル1地震動に対して弾性挙動を示すことを確認し,地震後橋脚が健全であるという性能を満足することを確認した.またレベル2地震動に対しては,最大応答変位がRC橋脚より大きな値を示すものの,その値は終局変位に比べて小さく,レベル2地震動に対する耐震性能を満足していることを実証した.さらに地震後の橋脚の損傷を示す残留変位に関しては,UBRC橋脚では低減効果が大きいことを実証した. ・UBRC橋脚の最大の特徴である安定した正の二次剛性を利用することにより,二段階耐震設計法で規定されている性能を有する橋脚を,従来のRC橋脚よりも断面寸法の小さいUBRC橋脚でより合理的に実現することが可能である.
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