研究分担者 |
向井 苑生 近畿大学, 理工学部, 教授 (00097411)
佐野 至 近畿大学, 理工学部, 講師 (10247950)
江口 充 近畿大学, 農学部, 教授 (40176764)
来田 秀雄 近畿大学, 農学部, 講師 (50088192)
竹田 英章 北海道東海大学, 工学部, 教授 (50206984)
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研究概要 |
本研究は,貧栄養化した海域や磯焼け現象によって藻場が消失した浅海域に,藻類に適した栄養分を強化したセメント系の多孔質複合材料(ポーラスコンクリート)を沈漬し、藻類を早期に再生する方法を提供した。さらに,藻場が消失している海域の調査と前記のポーラスコンクリートを設置した海域の衛星観測データを用いた管理方法を開発した。 具体的には、ポーラスコンクリートの製造法と強度や耐久性につき明らかにし、海藻類の成長に効果がある無機質の栄養素(鉄分・窒素及び燐成分等)を特殊なポリマー等によりシールし,ポーラスコンクリート内に挿入して沿岸海域に沈漬し,それらの栄養源を徐々に海域に溶出させ,藻場を造成する方法を提案した。また,自然海域に沈漬した藻類付着基盤材料の物理的及び化学的変化や海藻付着と内外部に付着する生物種と量の長期的な遷移状況や多様性生物に及ぼす影響等を継続して総合的に調査・検討した。更に栄養強化したポーラスコンクリートによる藻場造成術と衛星観測データから海洋表面のクロロフィル濃度分布を導出する研究結果を活用し,栄養強化したポーラスコンクリートを利用した藻場造成を効果的に行う方法と,その後の経過を管理する手法を研究した。 平成13〜16年度の研究内容と研究成果は、それぞれ以下の内容である。 1)多孔質複合材料であるポーラスコンクリートの製造法と各種物性につき調査した。特に、粗骨材に付着する結合材の分離性状を明らかにした。 2)藻類付着基盤材料(ポーラスコンクリート)の長期的な物理変化や水域における耐久性の程度を把握した。特に,水中での遊離石灰の溶脱による耐久性や砂礫による摩耗特性について調査した。 3)粒状化した窒素や隣成分を特殊なポリマーシールする方法を示し、藻類付着基盤材料から溶出する栄養塩類の制御方法を継続研究した。 4)各種リサイクル材料を用いた藻類付着基盤材料への海藻類や小動物などの付着生物の遷移状況を調査した。 5)海域で観測したクロロフィル濃度と衛星観測から測定した観測データの整合性を図るため,実海域での調査や観測データの収集と解析を行った。
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