研究分担者 |
渦岡 良介 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (40333306)
中村 晋 日本大学, 工学部, 助教授 (40307806)
飛田 善雄 東北学院大学, 工学部, 教授 (40124606)
北詰 昌樹 (独)港湾空港技術研究所, 地盤構造部, 室長
仙頭 紀明 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40333835)
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研究概要 |
本研究課題は,過剰間隙水圧の流入流出に着目して,振動中あるいは振動後の流動メカニズムを主に実験的に解明しようとするものである. 平成14年度は.間隙水流入による地盤要素の破壊変形メカニズムを組み込んだ数値計算法を提案すると伴に,オンライン実験システムを構築した.また、液状化地盤の間隙水の流出特性を実験的に評価した.研究成果の要点をまとめると以下のとおりである. 1)液状化した土要素から間隙水を流出する実験を行い,排水過程における有効平均主応力と体積ひずみの関係を把握した.その結果初期の有効応力回復時に大きな体積収縮特性を示し,最終的な体積収縮量はせん断履歴に大きく依存することを明らかにした. 2)上記の成果は液状化による土の損傷程度が単に発生した過剰間隙水圧によらないことを示したものである. 3)間隙水の流入時の破壊機構を組み込んだ浸透流動破壊のための,オンライン実験システムを構築した.その結果繰返しせん断時の変形量に対して.地震後の浸透破壊によっても繰返しせん断時とほぼ同じ程度の変形が発達することを示した. 4)さらに,繰返しせん断中も間隙水の流入流出を制御したオンライン実験システムを構築し,地盤の透水性が繰返しせん断特性に及ぼす影響について考察した. その結果透水係数が0.01cm/s程度であっても,地震動の継続する約1分の間に、体積ひずみにして0.5%程度の体積変化が生じることを示した.この成果は.液状化現象を非排水条件下での現象として限定的にとらえることの是非に関して,重要な実験的知見を与えている.
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