研究分担者 |
安福 規之 九州大学, 工学研究院, 助教授 (20166523)
島岡 隆行 九州大学, 工学研究院, 教授 (80202109)
神野 健二 九州大学, 工学研究院, 教授 (80038025)
大嶺 聖 九州大学, 工学研究院, 助手 (60248474)
久場 隆広 九州大学, 工学研究院, 助教授 (60284527)
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研究概要 |
本研究では,都市ゴミ焼却灰を地盤工学的に有効利用するための各種技術の開発ならびにそれらを体系的に評価するための処理システムの構築を目的として,以下のことを明らかにした. 1.海面最終処分場の早期安定化技術の開発 海洋埋め立てにおいて都市ゴミ焼却灰からなる廃棄物地盤を早期に安定化させるための方法をカラム実験,模型実験、化学分析を通して検討した. (1)1次元流れによるカラム試験 焼却灰層の深さの影響を明らかにするために,上載圧の異なるカラム実験を行い,溶存酸素や酸化還元電位が低下せず,ほぼ一定の値を示すことを明らかにした.また,鉛などの重金属の溶出量が低下した. (2)二次元流れによる模型実験 二次元的な流れにおいても溶存酸素や酸化還元電位の値に大きな低下が見られなかった.また,重金属については場所により溶出特性に違いが生じた. これらのことから,保有水の循環により焼却灰層を好気的に維持することができることを明らかにした.今後は廃棄物層内を好気的に保つことで有機分の分解が促進されるかを確認することが必要である. 2.都市ゴミ焼却灰を地盤工学的に有効活用するための技術開発 都市ゴミ焼却灰に粘土を混合し,圧縮焼成処理することによって作製された固化材料の一軸圧縮試験,化学試験および溶出試験を行った.その結果,圧縮焼成処理することによって,軽量化,pHやECの低減効果および重金属溶出の抑制効果のあることが明らかとなった.すなわち,粘土を混合して500℃以上で焼成することにより,耐久性のある強固な材料となり,有害物質の溶出が大幅に抑制されることから,再資源化材としての有効性が確認された.
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