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2002 年度 実績報告書

南九州しらす地帯での斜面崩壊機構に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13450196
研究機関鹿児島大学

研究代表者

北村 良介  鹿児島大学, 工学部, 教授 (70111979)

研究分担者 矢ケ部 秀美  (株)ダイヤコンサルタント, 福岡支店, 副支店長
西村 友良  足利工業大学, 工学部, 助教授 (00237736)
小林 哲夫  鹿児島大学, 理学部, 助教授 (70112430)
キーワード斜面崩壊 / しらす斜面 / 不飽和土 / せん断強度パラメータ / 一面せん断試験 / サクション / 数値力学モデル / 不飽和透水係数
研究概要

本研究は,北村らが提案している降雨に伴う斜面崩壊の予知戦略フローに従ったシステムの構築を目的とした一連の研究の中で基礎的な部分を担っている。今年度は,(1)斜面安定解析に必要な強度パラメータを提供することのできる不飽和一面せん断試験装置を用いたせん断試験,(2)システムの根幹をなす数値力学モデルの改良および数値シミュレーションの実行に関する研究を行った。
以下,各項目に関する研究実績概要を個条書きにする。
(1)に関する研究
・不飽和一面せん断試験装置を用いたせん断試験を行った。用いた試料は豊浦砂と松元しらすである。初期間隙比,初期含水比が同じ供試体を作製し,サクションを制御することによってせん断直前の応力状態に達したことを確認後,定体積状態でせん断を行った。得られたデータの精度を検証するため改良型一面剪断試験装置によるせん断試験も行った。
・せん断強度パラメータの含水比依存性を調べるため,得られた結果より破壊規準線を引き,せん断強度パラメータを求めた。含水比に依存して見かけの粘着成分が変化することが明らかとなった。しかし,数kPa程度という小さな圧力範囲での変化であり,今後,土質試験装置の計測部分の精度の検討が必要であることが判明した。
(2)に関する研究
・間隙水の挙動に着目し,土質試験より得られる水分特性曲線,不飽和・飽和透水係数を間隙モデルが再現できるように間隙モデルに新たなパラメータ(均等係数)を導入し,良好なシミュレーション結果を獲た。
・有限要素法を適用した浸透モデルによる数値実験が土槽を用いたモデル斜面での浸透試験結果を良好にシミュレートできることを明らかにした。

  • 研究成果

    (24件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (24件)

  • [文献書誌] 横山真之: "一面せん断試験装置を用いた不飽和土のせん断特性に関する一考察"第38回地盤工学研究発表会. (発表予定). (2003)

  • [文献書誌] 酒匂一成: "降雨による斜面の不安定化に関する一考察"第38回地盤工学研究発表会. (発表予定). (2003)

  • [文献書誌] 横山真之: "一面せん断試験装置を用いた不飽和土の力学特性に関する一考察"第57回土木学会年次学術講演会. 第(企)部. 585-587 (2002)

  • [文献書誌] 荒木巧平: "ヤンブ法を用いた降雨による斜面崩壊確率に関する一考察"第57回土木学会年次学術講演会. 第(企)部. 815-816 (2002)

  • [文献書誌] 村田秀一: "降雨によるシラス斜面の浸透・崩壊に関する模型土槽試験"豪雨時の斜面崩壊のメカニズムおよび危険度予測に関するシンポジウム発表論文集. (掲載決定済み). (2003)

  • [文献書誌] K.Sako: "Water retention and flow mechanism in unsaturated soil"Unsat-Asia2003. (掲載決定済み). (2003)

  • [文献書誌] R.Kitamura: "Influence of water content on apparent cohesion for unsaturated soil"Unsat-Asia2003. (掲載決定済み).

  • [文献書誌] 北村良介: "降雨による斜面の不安定化の定量的評価"第21回日本自然災害学会年次講演会. 3-4 (2002)

  • [文献書誌] K.Sako: "Numerical analysis for seepage of rainwater and evaporation of porewater in unsaturated soil"Int. Sympo. on Groundwater Problems relatid to Geo-Environment (IS-Okayama). (掲載決定済み). (2003)

  • [文献書誌] 村田秀一: "降雨によるシラス斜面の浸透・崩壊に関する模型土槽試験"豪雨時の斜面崩壊のメカニズムおよび危険度予測に関するシンポジウム発表論文集. (掲載決定済み). (2003)

  • [文献書誌] 荒木巧平: "降雨に伴う斜面崩壊確率について"豪雨時の斜面崩壊のメカニズムおよび危険度予測に関するシンポジウム発表論文集. (掲載決定済み). (2003)

  • [文献書誌] K.Sako: "Water retention and flow mechanism in unsaturated soil"Unsat-Asia2003. (掲載決定済み). (2003)

  • [文献書誌] R.Kitamura: "Influence of water content on apparent cohesion for unsaturated soil"Unsat-Asia2003. (掲載決定済み).

  • [文献書誌] 宮本祐二: "不飽和しらす地盤での蒸発を考慮した伝熱・浸透挙動のモデル化"土木学会応用力学論文集. Vol.5. 481-490 (2002)

  • [文献書誌] K.Sako: "A research strategy for prediction of slope failure due to rainfall"Proc. Int. Conf. on Physical Modelling in Geotechnics. 771-776 (2002)

  • [文献書誌] 松尾和昌: "斜面崩壊予知戦略-南九州シラス地帯を例として-"自然災害科学. 21-1. 25-33 (2002)

  • [文献書誌] 成尾英仁: "鬼界カルデラ,6.5kaBP噴火に誘発された2度の巨大噴火"第四紀研究. 41-4. 287-299 (2002)

  • [文献書誌] 小島尚人: "シラス自然斜面の崩壊危険箇所評価を目的とした素因と誘因影響の分析について"日本リモートセンシング学会第32回学術講演会論文集. 3-4 (2002)

  • [文献書誌] 小島尚人: "シラス自然斜面の崩壊誘因逆推定における衛星熱赤外域情報の適用性について"日本リモートセンシング学会第33回学術講演会論文集. 259-260 (2002)

  • [文献書誌] 小島尚人: "衛星リモートセンシングデータを導入したシラス自然斜面の崩壊危険箇所評価精度の向上"土木学会論文集. No.714/VI-56. 165-176 (2002)

  • [文献書誌] Tomita, K.: "Synthesis of smectite from igneous rocks at atmospheric pressure"Clay Science. Vol.11, No.6. 585-599 (2002)

  • [文献書誌] 富田克利: "南極大陸、東南極エンダビーランド、リーセルラルセン山地域の粘土鉱物"第46回粘土科学討論会. 154-155 (2002)

  • [文献書誌] 地頭薗隆: "南九州火山地域における地下水型崩壊の予測"土砂災害に関するシンポジウム講演論文集. 9-12 (2002)

  • [文献書誌] 地頭薗隆: "シラス地域の水文地形とシラス斜面崖錐部の崩壊"地形. 23(4). 611-626 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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