研究分担者 |
山本 健太郎 鹿児島大学, 工学部, 助手 (40305157)
西村 友良 足利工業大学, 工学部, 助教授 (00237736)
小林 哲夫 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (70112430)
矢ケ部 秀美 (株)ダイヤコンサルタント, 福岡支店, 副支店長
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研究概要 |
本研究は,北村らが提案している降雨に伴う斜面崩壊の予知戦略フローに従ったシステムの構築を目的とした一連の研究の中で基礎的な部分を担っている。今年度は,(1)川内川河川堤防,国道226号前之浜のシラス斜面にサクション等の現地計測装置を設置し、(2)研究期間(3年間)で実施された室内土質試験、土槽試験、現地計測によって得られたデータの処理、数値力学モデルを用いた数値シミュレーションをおこない、(3)予知システム全体の検討、各項目における今後の課題について考察を加えた。最後に、3年間の成果をまとめた報告書を作成した。 以下,各項目に関する研究実績概要を個条書きにする。 (1)に関する研究 ・川内川河川堤防ではサクション、地中温度、地下水位、降雨量、河川水位の測定を行い、降雨や河川水位の変化が堤防内の含水量分布、浸潤線にどのような影響を与えるのかを考察した。 ・国道226号前之浜シラス台地縁辺部でサクションと降雨量を計測し、それらのデータを用いて降雨に伴うシラス斜面の安定性の変化を検討した。 (2)に関する研究 ・物理試験より得られるパラメータを数値解析モデルに入力し、土質試験より得られる水分特性曲線,不飽和・飽和透水係数、土槽試験により得られる不飽和浸透・崩壊挙動、現地計測より得られるサクションの経時変化を数値解析モデルが良好に表現できることを明らかにした。 (3)に関する研究 ・今後の課題として、システムにおける各項目の感度分析、間隙モデルにおける飽和度の取扱い、有限要素解析における浸潤面での計算処理等が挙げられる。
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