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2002 年度 実績報告書

液状化地盤での水膜生成・流動メカニズムの定量化

研究課題

研究課題/領域番号 13450197
研究機関中央大学

研究代表者

國生 剛治  中央大学, 理工学部, 教授 (80286955)

キーワード液状化 / 砂地盤 / 側方流動 / 水膜現象 / 成層構造 / せん断抵抗
研究概要

電磁式振動台を用いた飽和砂斜面の模型実験により、シルトシームを挟んだ斜面では、入力加速度が適度に小さいとき振動中は全く変形が起きず、振動終了後に大きな流動が起き、結果的には加速度が大きな場合より流動変形量が大きくなることがあることが分かり、砂の不均質性が流動に及ぼす影響の大きさが示された。
また、流動の時刻歴からエネルギーの算定によりシーム直下の滑り面で発揮されるせん断抵抗を計算し、シーム直下に形成される水膜を通過しているにもかかわらず、抵抗は完全にはゼロにならず24%程度までしか低下しないことを明らかにした。その理由は完全には明らかになっていないが、水膜が滑り面全面には連続していないこと、薄い水膜の中で水の粘性抵抗が発揮されていることなどが想定される。
円筒チューブでの水膜生成実験により、複数のシルトシームが挟まった飽和砂層での水膜の生成、消滅過程を測定し、各シームについては一枚のシームの場合と定性的には同じことが起きることを明らかにした。
中空ねじりせん断試験を用いた水膜の生成過程の再現実験により、複数の水平なシルトシームを含んだ供試体はシームを含まない砂やシームを柱状に含んだ供試体に比べ液状化強度が明らかに低下し、液状化後の流動変位も大きくなることを明らかにした。
以前の研究で明らかにしたように、自然地盤の砂は成層構造をなしており、不均質性が高い。したがって以上の研究結果に基づけば、液状化した地盤の砂の流動変位量は従来の均質な砂による実験結果よりはるかに大きな値となる可能性が大きいことが分かった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 樺澤和宏, 國生剛治, 小菅達矢, 吉岡佳吾: "水膜現象による側方流動時のエネルギー的検討"第37回地盤工学研究発表会. 2/2. 2011-2012 (2002)

  • [文献書誌] 國生剛治, 伊藤 力, 神川貴史: "発破液状化試験での液状化地盤内部の観察"第37回地盤工学研究発表会. 2/2. 1981-1982 (2002)

  • [文献書誌] 樺澤和宏, 國生剛治: "間隙の再配分による水膜現象が側方流動メカニズムに及ぼす影響"第11回地震工学シンポジウム. CD164. (2002)

  • [文献書誌] 國生剛治: "1次元土槽による模型実験での水膜の生成メカニズムに関する研究"第11回地震工学シンポジウム. CD163. (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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