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2001 年度 実績報告書

河川下流域の流量特性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13450199
研究機関北海道大学

研究代表者

吉田 静男  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30001324)

研究分担者 西田 修三  大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40172663)
キーワードH-Q式 / 水位-流量曲線 / 感潮域 / 流量 / セットアップ / 河口流 / 潮汐 / 非定常流
研究概要

本研究は潮汐などの非定常要因を併せもつ河川下流域においてH-Q式で流量を推定する場合に高精度を望めないという現状を格段に改善する手法の確立を目的として開始された.
本年度の研究は計画どおり実施され,以下の重要な成果を得た.まず,1)感潮域におけるH-Q曲線に重要な影響を与える河口の海面水位が突然急上昇する原因として,従来,主張されてきた移動性低気圧説が,実は,岸に向かう風によるセットアップ(吹き寄せ)現象によるものであること,が実証できた.従来の観測ではいつも河川流量の変化と大気圧の著しい低下が重畳しており,個々の要因の寄与が特定できなかったが,今年度の観測で初めて流量変化の伴わない,風のみによるセットアップが観測された.なお,セットアップに関しては石狩川のような河口部の水深が大きい大河川では生じ難いとされてきたが,その見解は否定されるべきであることも分かった.2)セットアップによる海面水位上昇は次第に増幅しつつ上流にし,河口上流26.5kmでは約2倍に達する.しかし,この振動は河床高さが海抜0mになる河口上流45.5kmでは全く感知できないことから,途中で次第に減衰し消滅する.なお,潮汐による水位変動も上流に伝播するがこの場合は上流ほど水位変動振幅が小さくなっており,本質的に相違がある.3)セットアップは常に急激に生じる.この理由は低気圧が近くを通過する際の風向の急変による.石狩川河口部でセットアップが生じる風向はほとんどWNWである.今年度の研究によりH-Q曲線に影響のある非定常要因の個々の寄与が明確にできる事がわかった.

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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