研究分担者 |
鯉渕 幸生 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 講師 (60349800)
磯部 雅彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20114374)
渡辺 晃 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80011138)
本田 隆英 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70361524)
|
研究概要 |
現有の任意波形振動流装置で観測部分に細砂と粗砂をさまざまな割合で混合した底質を敷き詰め,振動流作用下での砂粒子の移動機構を測定した。昨年度までの実験で,現実的な条件のもとでの実験データを取得するためには観測部の長さを延長する必要があることが確認されたため,装置を改造して観測部分を約2m延長し,流速,浮遊砂濃度,漂砂量と地盤内部の粒度分布の変化を詳細に計測した。混合粒径底質を用いた海浜変形実験は,小規模な水槽では粗い粒径の底質が活発に移動する条件を作ることができないため,大型水槽での実験が不可欠となる。申請者らは,これまでに大型水槽で混合砂を用いた海浜断面変形実験を進めてきており,混合砂海浜では,砕波点付近や汀線近傍で粗粒化が進み漂砂量が減少することなどを明らかにしている。本年度は,これらのデータを再整理し,アーマリングの効果を含んだ砂輸送量算定モデルを構築した。 以上のようにして構築した局所漂砂量モデルを従来から開発を継続している波・流れモデルと結合することにより混合粒径底質海岸の変形予測モデルを提案した。大型水槽による海浜変形実験では,細粗粒径底質が,互層構造となって堆積する現象が見られるが,モデルではこのような互層の発達を再現できるものであることを確認した。また,平面水槽における実験では,代表的な海岸保全施設である突堤や離岸堤を対象とした実験を実施したが,これらの構造物周辺の海浜変形も数値モデルにより精度良く再現可能であることを確認した.
|