研究概要 |
(1)動物体認識手法の整理 画像処理における既存の動物体認識手法のレビューを行った。動物体認識は基本的には,動物体の抽出,抽出された動物体を対応付けることによる追跡の2段階によって実現される。動物体抽出では,差分に基づく抽出法,オプティカルフローに基づく抽出法に分類される。一方の動物体追跡法は,点マッチング,線マッチング,領域マッチングに分類される。 (2)車両動体追跡手法の枠組みの構築 人間の動物体認識過程の整理から,車両の動体追跡は時空間において,静止領域との差異を明らかにし,そして,その移動ベクトルを用いながら,車両クラスタを形成することであることを確認した。これらの特徴量は,前項(1)において整理した画像処理技術では,それぞれ,背景差分値,オプティカルフローに対応する。これに基づき,時空間クラスタリング法,及び,段階法により,車両動体追跡手法を構築した。 (3)道路部を対象とした幾何補正手法の開発 高度撮影時系列画像は定点観測画像ではあるが,プラットフォームの揺れにより画像の幾何補正が必要となる。そのため,特に道路部を対象とした自動幾何補正手法の開発を行っている。そこで,道路上標示物の自動抽出による特徴点抽出の自動化,探索範囲限定による対応点探索自動化による自動幾何補正手法を開発した。 (4)時空間クラスタリング法の開発 (1),(2)に基づき,背景差分値とオプティカルフローを特徴量とし,時空間画像内でクラスタリングを行う,車両動態認識手法を開発した。本手法内には,特徴量抽出だけでなく,幾何補正,影領域の除去も含まれる。
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