研究概要 |
昨年度の研究において,空間分解能10cm,時間分解能1/30秒の時系列画像に対して,車両認識手法として時空間クラスタリング法を開発した。 (1)時空間クラスタリング法の汎用性の検討 2004年に計画されている成層圏プラットフォームの試験機に搭載されるセンサの空間分解能は30cm程度と想定されている。この試験機を視野に入れ,ヘリコプターから撮影した空間分解能30cmの実時系列画像に,時空間クラスタリング法を適用した。認識率96%の結果を得,提案手法の有効性を確認した。 (2)時空間クラスタリング法におけるパラメータ調整法の開発 時空間クラスタリング法では,多数のパラメータ調整が必要となる。パラメータの感度分析を行った結果,クラスタリング処理における,特徴量の重みパラメータ,及び,その際の類似度を規定するしきい値が最も結果に影響することを確認した。従来は,試行錯誤的に行っていたパラメータ調整に対し,段階的パラメータ調整法を開発した。空間分解能10cm,30cmの実動画像への適用を通して,提案手法の有効性を確認した。 (3)実3次元空間における車両位置精度の評価 提案手法により認識された車両の位置精度を,実3次元空間において評価した。高速道路サグ部を対象とし(空間分解能30cm動画像),マニュアルによる車両抽出結果と比較した。水平位置精度として,2m以下の位置精度が得られた。その際に,車両位置のスムージングを事後的に適用することにより,位置精度が飛躍的に向上することを確認した。
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