貨物交通量の多い幹線道路沿道は、ディーゼル車からの排出するNOxやSPMによる大気汚染が依然として深刻である。本研究では、その貨物交通を対象にして統合型ロードプライシングの構築とその効果を把握することを最大の目的とするが、2カ年目の今年度研究では、主に以下のことを実施した。 (1)昨年度実施した大阪市臨海部における事業所調査データと2001年度実施された既存資料をもとに、阪神間臨海部を対象にした「環境ロードプライシング」に対する事業所意識の分析を行った。 (2)新たに今年度、阪神間において事業所が集中する尼崎市内の事業所を対象に、貨物車利用行動・環境意識・低公害車導入意向などに関する調査を実施し、これらの特性を把握した。 その結果、次のことが明らかになった。 (1)環境ロードプライシングに関する転換意向では、湾岸線からの距離が主要因として抽出され、内陸部の事業者から発生する貨物車の湾岸線への誘導は、南北幹線道路の円滑化が重要であることがわかった。 (2)低公害車の普及に関しては、導入事例は少ないが、低公害車や天然ガス充填基地、助成制度などの情報提供によって、導入意向が増加することがわかった。特に近距離貨物交通において効果的であることがわかった。
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