ディーゼルトラックに代表される貨物交通からの排出ガス(窒素酸化物、粒子状物質)による大気環境問題が社会問題となって久しく、さまざまな対策が試みられているが、十分な効果を挙げていないのが現状である。本研究では、貨物交通による大気環境問題の改善をめざして、以下の研究目的を掲げ、研究を推進した。 (1)日本における自動車交通からの排出物に対する発生源対策の整理 (2)日本における貨物交通の低公害化に対する事業所の取り組みの現状のまとめ (3)天然ガス車の特性把握と阪神間における天然ガススタンド(エコステーション)の現況整理と課題抽出 (4)阪神間事業所を対象にした貨物交通の実態把握 (5)阪神間の天然ガススタンド(エコステーション)の利用特性と普及に向けた整備方針の検討 (6)阪神間の事業者から見た環境ロードプライシングに対する意識特性の把握 その結果、次の知見が得られた。 (1)天然ガススタンド(エコステーション)の整備については、キャッチメント・エリアが概ねスタンドを中心に2kmであることが明らかになり、このことを念頭に置いた配置計画が検討される必要がある。 (2)環境ロードプライシングにおいては、内陸部と臨海部の高速道路の料金格差を相当大きくしないと効果が効果がないことが判明した。このとき、一般道路への転換を防ぐために、一般道路の交通規制も必要なことが明らかになった。
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