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2001 年度 実績報告書

超薄肉鉄骨開断面材のゆがみ座屈に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13450221
研究機関三重大学

研究代表者

森野 捷輔  三重大学, 工学部, 教授 (00027278)

研究分担者 川口 淳  三重大学, 大学院・工学研究科, 講師 (50224746)
キーワード軽量薄板構造 / リップ付き溝形鋼 / 構造実験 / 圧縮材 / 曲げ材 / 局部座屈 / ゆがみ座屈 / 耐力評価
研究概要

近年我が国で施工例が増えつつあるスチールハウスでは,板厚0.4mm以上2.3mm未満の開断面形鋼部材用いられるが,板厚が非常に薄いため,局部座屈に加えて板要素接合線が初期の断面位置から移動するゆがみ座屈が発生する.本研究は,超薄肉形鋼部材の局部座屈・ゆがみ座屈・全体座屈の相互関係を明らかにする目的で計画されたもので,本年度は圧縮及び曲げ実験実験を行った.
I.リップ付き溝形鋼短材中心圧縮実験
試験体は公称板厚1.0mmの冷間成型リップ付き溝形鋼短材で,実験変数はウェブせい,ウェブせい-フランジ幅比およびタイバーの有無の3種類とし,試験体材長はウェブせいの3倍とした.代表的な断面はc-150x75x25x1.0である.実験並びに降伏線理論による解析から,以下のような結果を得た.(1)破壊形状は,座屈半波長が一定の局部座屈による破壊と,ウェブとリップ-フランジ接合線で座屈半波長が異なるゆがみ座屈による破壊に分けられる.(2)荷重-変形関係ではウェブせい,ウェブ-フランジ比の違いによって最大耐力および劣化勾配に違いが見られたがタイバーの影響はほとんど見られなかった.(3)最大耐力は有効断面積,断面欠損を考慮した偏心圧縮だけでは評価できない試験体もあり,ゆがみ座屈を考慮した評価式が必要である.(4)実験値と解析値の耐力比の平均値は1.01,標準偏差は0.23で解析の精度はよい.
II.リップ付き溝形鋼部材曲げ実験
試験体に用いた鋼材はウェブせい300mm,フランジ幅40mm,リップ長15mm,板厚1.0mmの冷間成型リップ付き溝形鋼で,曲げ材の単純支持支店間距離は4200mm等曲げ区間の長さは2200mmとした.実験並びに曲げ材の耐力評価から以下のような結果を得た.(1)破壊は,ウェブ局部座屈(板座屈)→横座屈・ゆがみ座屈(全体座屈)→横座屈に伴うフランジの局部座屈と進行した.ただし両リップを断続的につないだ試験体ではゆがみ座屈は発生しなかった.(2)ウェブの局部座屈発生点耐力は,補剛材によって上昇させる事が可能であるが,最大耐力はあまり変化しない.(3)試験体の最大耐力は,ゆがみ座屈補剛を施した試験体以外は横座屈ではなくゆがみ座屈によって決定されたと考えられる.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 平林典久, 水野泰則, 半谷公司, 川口 淳, 菅野良一, 森野捷輔: "極薄肉C形鋼の座屈性状に関する実験的研究(その1 短柱圧縮試験)"日本建築学会大会学術講演梗概集. C-1. 517-518 (2001)

  • [文献書誌] 三木辰浩, 水野泰則, 久保田公司, 川口 淳, 森野捷輔: "薄板軽量リップ溝形鋼に関する実験的研究(その1:曲げを受ける梁材の座屈性状)"日本建築学会大会東海支部研究報告集. 40号. 349-352 (2002)

  • [文献書誌] 半谷公司, 菅野良一, 森野捷輔: "曲げを受ける薄板軽量リップ溝形鋼のウェブの局部座屈性状に関する研究"日本建築学会大会東海支部研究報告集. 40号. 353-356 (2002)

  • [文献書誌] 水野泰則, 川口 淳, 森野捷輔: "極薄肉C形鋼の座屈性状に関する実験的研究(その2 解析)"日本建築学会大会学術講演梗概集. (予定). (2002)

  • [文献書誌] 三木辰浩, 水野泰則, 川口 淳, 森野捷輔: "薄板軽量リップ溝形鋼に関する実験的研究(その2:曲げを受ける梁材の耐力)"日本建築学会大会学術講演梗概集. (予定). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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