研究課題
基盤研究(B)
本研究では、近年の地震被害データの収集・蓄積・整理を行って地震リスク・データベースの構築を行い、地震リスク認知の向上に繋がるリスク表示方法について検討した。対象とする被害地震は、1)1993年釧路沖地震、2)1995年兵庫県南部地震、3)1999年台湾集集地震、4)1999年トルコ地震、5)2000年鳥取県西部地震、6)2001年芸予地震、7)2001年インド西部地震である。H13年度は、これまで建築物被害データの蓄積・整理を行ってきた上記1)〜3)の3地震に加え、鳥取県西部地震、芸予地震、インド西部地震を対象として被害調査・復興過程実態調査とその分析を行った。H14年度は、鳥取県西部地震について引き続き復興過程実態調査・アンケート調査を追加し、補修・再使用可能な住宅をを解体・建替をした住民の意志決定に、被災建物の構造安全性や補修効果に対する不安が大きく影響していた事を示した。そして、被災地域の持続的復興を促すためには、建替よりも補修を促す事が重要で、地震直後に被災建物の残存耐震性能や地震リスクについて、住民への情報の提供が重要である事を指摘し、復興補助金などの施策や地域協働のあり方、住民へ提供すべき情報の内容や今後の研究課題に対する提言を行った。一方、トルコでコジャエリ地震の約3ヶ月後に、ドゥズジェ地震でより大きな被害を受けたドゥズジェ市について、建築物被害と復興の状況の調査・データベース化を行うとともに、両地震における建物被災度と住民避難行動・住民意識の分析を行った。最後に、2年間の研究成果、および米国における地震リスク評価や表示の現状について情報収集を行った結果を踏まえ、今後のリスク評価・表示の方向性について提言を行った。
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