研究課題/領域番号 |
13450228
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
曽田 五月也 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70134351)
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研究分担者 |
藤谷 英雄 独立行政法人建築研究科, 構造研究グループ, 上席研究員
前田 寿朗 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (80329086)
山田 真 早稲田大学, 理工学総合研究所, 教授 (40174734)
岩田 範生 近畿大学, 理工学部, 講師 (20298152)
森下 信 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (80166404)
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キーワード | MRダンパー / 磁気粘性流体 / セミアクティブ制御 / 制振構造 / 免震構造 / 履歴特性 / 反応速度 / 印加電流 |
研究概要 |
本課題に着手する以前に検討を進めていた最大仕様荷重が20kNのダンパーを原型として各種の流体、最大荷重、最大ストローク、磁気コイルのインダクタンスの違いを検討するためのダンパーを設計・製作し、それぞれの履歴の安定性、力学モデル用パラメータ、反応速度等に及ぼす影響を中心にして今年度の研究を進めた。流体の違いは長期間静置された場合の対沈殿安定性において大きな問題であり、最新の流体ではダンパー実用化が可能な程度に改善されていることを確認した。コイルのインダクタンスをの大小に拠らず印加電流を調整することにより所定の抵抗力は発揮され、なおかつ印加電流に対する抵抗力の反応性も向上する利点がある。しかしながら、本ダンパーを建物の構造制御に応用する場合には、アクティブ制御と比べて大きな利点となるべき省電力性と背反するため、設計に関する今後の課題である。電流の印加に対して発揮されるダンパーの抵抗力の変化の早さは、本ダンパーを構造物のセミアクティブ制御へ応用する場合に極めて重要なポイントであり、今回はダンパーの構造、容量、流体種、コイルのインダクタンス、荷重条件等々の違いの及ぼす影響を体系的な動加力試験により検討したところ、振動数の高い振動モードを制御する必要性の高い制振構造制御には未だ困難が伴うものの、比較的周期の長い免震建物に対しては十分に応用可能であることを確認した。小型、および実大の免震建物モデルによる振動台実験を実施し、意図するセミアクティブ制御により変形、加速度の応答低減が可能であることと、実験結果が解析的にもシミュレートされることを確認した。
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