研究概要 |
平成13年度に実施した事項と得られた知見を以下に示す。 1.既往研究のデータ整理と再分析 研究代表者らがこれまで収集してきた,住宅,事務所,駅舎など各種建築物の使用水量湯量データについて改めて解析し,新たな負荷算定法導出のための基礎的資料を整理するともに,最近測定した使用湯量データに基づき,単身・独身寮における負荷算定モデルを作成し,シミュレーションによって給湯負荷予測を行い,モデルの妥当性を検討した。 2.業務用厨房を対象とした使用水量の測定と準備 これまで明らかにされていない業務用厨房に関する使用水量,湯量のデータ収集を進めた。測定対象として,(1)比較的限定されたメニューが大量に出食される学生食堂(広島大学内の3棟),(2)単一メニューで調理と洗浄が時間的に完全に分離する学校給食施設(東広島市内,豊松町内で各1棟),さらに,(3)複合商業施設内にある一般的な食堂・レストラン(広島市内の1棟で店舗数は20以上)とした。このうち,(1),(2)については,既設給水,給湯配管に電子式水道メータを設置し,水量と対応する発振パルスをロガーで記録する連続測定を,秋季と冬季について実施し,測定期間中の来客数や出食数等のデータを併せて収集した。(3)については,平成14年度春季から(1),(2)と同様な測定ができるよう,メータ設置等の準備作業を行った。 3.事務所ビルを対象とした使用水量の測定 事務所ビルにおけるより精密な負荷算定手法を構築するため,広島市内の事務所ビル1棟の男子・女子便所の一部を対象として,2.と同様な使用水量測定,並びに,人感センサを用いた各種器具の同時使用状況調査を冬季から開始した。
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