研究課題/領域番号 |
13450239
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
龍 有二 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (20191695)
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研究分担者 |
野村 幸司 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助手 (20311855)
相楽 典泰 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (60347664)
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キーワード | 躯体蓄熱 / 天井吹付け方式 / 床吹き出し方式 / 負荷平準化 / 室内熱環境 / アンケート調査 / 氷蓄熱 |
研究概要 |
負荷平準化に寄与するとともに室内の放射環境改善効果が顕著であると言われる躯体蓄熱式空調方式を対象に、以下の(1)〜(3)の研究を行うとともに、本システムを医療保健施設に適用する場合の有効性や問題点についても検討した。 (1)氷蓄熱床吹き出しパッケージを利用した躯体蓄熱システム(蓄熱時の空気経路:室内機→床下(閉空間)→ペリメータダクト→天井内→室内機)を採用するビル(平成15年5月竣工)の運転実績データ(床スラブ表面および内部温度(計81点)など約200点)を収集し、このシステムの躯体蓄放熱特性、システム効率、負荷平準化効果について実証的に明らかにした。空調用消費電力の夜間移行率は約70%となりランニングコストの削減が期待できる。室温も快適域に保たれるが、昼間の潜熱除去が不十分なため、相対湿度70%を超える時間が全体の10%程度となった。 (2)氷蓄熱ビルマルチ方式と躯体蓄熱システムを併用したビル(平成15年2月竣工)においてその性能を明らかにした。冷気の当て方としては簡便な天井スラブ垂直吹き付け方式を採用したため、蓄熱量の平面分布が顕著であるが、平均すると200KJ/m^2となり、当初目標とした熱量をほぼ蓄えることができた。また、空調用消費電力の夜間移行率は60%程度であり、室内温熱環境も快適であった。 (3)2002年4月に完成した北九州市立大学特殊実験棟にヘッダー状水平吹き出し方式の躯体蓄熱システムを採用し、非蓄熱方式との比較を行うとともに、本方式におけるスラブの熱特性、温熱環境、供給熱量、蓄熱効率等について明らかにした。 最後に、本年度の(1)〜(3)の研究によって得られた各種躯体蓄熱システムの基本的熱特性を整理するとともに、平成13年度に行ったシミュレーションを通して、病棟部門のような24時間居住空間での躯体蓄熱システムの適合性について総合的に評価した。
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