平成13年度から15年度にかけて、マイノリティ・コミュニティの再生プロジェクトについての調査を数多く実施してきたが、主要な成果は以下の三つに分類できる。 1.ニューヨーク・ハーレムの地域再生 ニューヨーク市都市住宅局のコミッショナーへのインタビュー調査を実施し、ニューヨーク市における公的住宅供給とNPO (Harlem Congregations for Community Improvement HCCI)との事業連携の実情を明らかにし、ハーレム・ブラッドハースト地区の住宅ストックのリストを作成した。また、North Manhattan Empowerment Zoneの当事務局長・フェルナンデス氏への聞き取り調査を通じて、North Manhattan Empowerment Zone Projectの成果を明らかにした。 2.ニューヨークのNPO Common Groundの事業実績に関する現地調査 Times Squareにあるホームレス住宅プロシェクトを視察し、歴史的建造物の保全、ホームレスへの住宅供給、入居者への職業訓練、福祉サービス支援に関する実情を分析した。また、マンハッタンにおけるホームレスの実態を把握するための実態調査(真夜中)にも参加した。2003年10月31日には、コモングラウンドの代表であるロザンヌ・ハガティー氏を招聘した国際研究集会を開催し、成功裏に終えた。 3.被差別部落のまちづくり 京都市内の10地区の同和地区の地区診断作業に取り組むと同時に、地元住民組織との複数回にわたる学習会を実施した。このような成果をもとに、平成15年度には政府の都市再生本部による「都市再生モデル調査地区」に指定された崇仁地区において新たなまちづくり戦略の構想に着手した。
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