研究課題/領域番号 |
13450251
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
上和田 茂 九州産業大学, 工学部, 教授 (70122596)
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研究分担者 |
小泉 隆 九州産業大学, 工学部, 助教授 (40225347)
江上 徹 九州産業大学, 工学部, 助教授 (60069565)
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キーワード | 家族 / サポート居住 / コミュニケーション / 個人化 / 茶の間化現象 / 情報関連機器 / ファミリースタディ / 開放性 |
研究概要 |
第1テーマ「親子の居住関係による高齢者のサポート構造の動向」 本年度は、中部、関東、東北地方の東日本地域における「サポート居住」の実態を明らかにすると共に、前年度実施の西日本両地域との比較をおこなった。その結果、群馬県、秋田県、宮城県などの関東および東北地方では、西日本地域に比較して「同居」の割合が極めて高く、逆に、西日本地域に特徴的であった「準近居」の比率が相対的に低く、両者は逆転していることが判明した。ただし、「近居」の比率は東日本地域においても一定程度の割合を保っており、「準近居」と合わせて、自立と支援のバランスを指向する親子両世帯の居住関係の傾向には共通性がみられた。 第2テーマ「住居における家族の出会いとコミュニケーション」 家族に関しては個人化や多様化が現代の趨勢とされるが、それ故にこそ一方では家族することの必要性が説かれる。そのための場としては住居が第一義的な重要性を持つが、近年では逆に、その閉鎖化やLDKの空洞化が指摘され続けて来た。本研究はこのような現状に鑑み、食事と学習という視点から住居での家族間コミューケーション生成につながる方策を探ろうとした。住み方調査や住宅雑誌掲載資料等の分析を通して、Lの茶の間化、LD化、DKのDOK(対面型K)化等の変化、パソコンを始めとする情報関連機器導入への対応、家族共用の学習空間(ファミリースタディ)の実態等を明らかにした。これらの諸結果に通底するものは、分節化された狭い空間から広いオープンな空間への指向である。それは視覚的ふれあいに基づくやわらかいコミューケーシヨン生成への指向であると考えられ、住居におけるコミューケーション空間の計画にとっては、この開放性が一つのキーワードとなると考えられる。
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