研究課題/領域番号 |
13450261
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
河村 能人 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (30250814)
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研究分担者 |
安藤 新二 熊本大学, 工学部, 助教授 (40222781)
大友 季哉 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (90270397)
西田 稔 熊本大学, 工学部, 教授 (90183540)
三浦 秀士 熊本大学, 工学部, 教授 (30117254)
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キーワード | 過冷却 / 粘性 / アモルファス合金 / 金属ガラス / ガラス遷移 |
研究概要 |
(1)Pd_<40>Ni_<40>P_<20>金属ガラスの過冷却液体の応力緩和時間を調査した結果、ガラス遷移温度から融点に至る緩和時間を求めることができた。過冷却液体の粘性の温度依存性と緩和時間が比例することから、Pd_<40>Ni_<40>P_<20>金属ガラスの過冷却液体の応力緩和時間は、ガラス遷移温度では約400s、結晶化温度では10^<-3>s、共晶温度では10^<-9>sであることが分かった。 (2)これまで薄帯の引張試験によって調査してきたPd_<40>Ni_<40>P_<20>金属ガラスの過冷却液体の粘性を、バルク材の圧縮試験によって調査した結果、薄帯の引張試験によって得られた結果とほぼ同じ結果が得られることが分かった。 (3)Pd_<40>Ni_<40>P_<20>金属ガラスに対して3.3x10^<-5>?2x10^3s^<-1>という広い歪み速度における圧縮ならびに引張変形特性を調査した。その結果、圧縮試験下では荷重方向に対して42度の面で破断が生じ、引張試験下では荷重方向に対して56度の面で破断が生じた。破断応力と破断歪みは、歪み速度の増加に伴い減少したが、2x10^3s^<-1>という高速変形でも1.4GPaの高強度を示した。 (4)金属ガラスの過冷却液体の高速超塑性に着目して、Pd基およびZr基金属ガラスの摩擦接合を試みた結果、結晶化させることなく強固に接合することに成功した。また、ガラス遷移温度差が約50K以下の金属ガラス同士でも、結晶化させることなく強固に接合できることが分かった。これによって、過冷却液体の粘性差が3桁以内なら、両方の金属ガラスが接合界面で変形して接合できることが分かった。さらに、金属ガラスの摩擦接合では、過冷却液体状態における粘性の温度依存性が極めて大きいために、接合界面において温度の自己制御が働いていることが分かった。
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