研究課題/領域番号 |
13450267
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
八島 正知 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (00239740)
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研究分担者 |
田中 雅彦 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (60249901)
佐々木 聡 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (10162364)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 放射光 / 粉末回折 / リートベルト解析 / 相転移 / ランダウ現象論 / 高温でのその場観察 / 高温構造物性 / 電子密度分布 |
研究概要 |
金属酸化物をドープしたLa_2Ti_3O_9化合物の相転移を、放射光粉末X線回折により研究した。粉末を充填した平板状試料を用いた。つくば市、高エネルギー加速器研究機構、放射光実験施設のビームライン3Aにて粉末回折実験を実施した。単色化した約1.38ÅのX線を用いた。入射角を一定にして、シンチレーションカウンターにより回折プロファイルを測定した。加熱温度は室温22℃から試料に依存して約450℃であった。アルミナや酸化ニオブをドープしたLa_2Ti_3O_9化合物は室温で斜方晶系(Pmmm)であり、a軸とb軸の長さに差があることによって生じる200と020反射の間のピークの分裂が観察された。この分裂の大きさは温度の上昇と共に小さくなり、ある温度で分裂は消失した。これは斜方(Cmmm)から正方(P4/mmm)への相転移である。軸率b/a-1は温度の上昇と共に連続的に減少して1になった。べき乗則(b/a-1=C(1-T/Tc)^n)を適用した。ここでCは温度に依存しない定数、Tは絶対温度、Tcは相転移温度、nは臨界指数である。実験データをこの式でフィッティングすることにより得られた臨界指数nは0.6〜0.7となり、典型的な二次相転移に対する値0.5よりも大きかった。このことはb/aが二次相転移よりもよりゆるやかに減少することを意味している。合わせて粉末X線回折データのリートベルト解析により、構造の精密化も行った。金属酸化物をドープしたLa_2Ti_3O_9化合物は二重ペロブスカイト型構造を有し、理想的なペロブスカイト型構造のAサイトにおいて、Laが高い濃度で充填したLa1サイトと、La濃度が低く欠陥濃度が高いLa2サイトが交互に並んだ構造を有していることがわかった。
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