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2003 年度 実績報告書

超微細粒合金における変形挙動のその場中性子回折および表面立体観察

研究課題

研究課題/領域番号 13450283
研究機関茨城大学

研究代表者

友田 陽  茨城大学, 工学部, 教授 (90007782)

研究分担者 鈴木 徹也  茨城大学, 工学部, 講師 (70261740)
キーワード中性子回折 / ナノ組織 / パーライト / セメンタイト溶解 / フェライト / 強度 / 相応力 / 残留応力
研究概要

引張変形中のその場中性子回折実験によってパーライト組織鋼の外力下におけるフェライト相およびセメンタイト相の応力分配挙動を明らかにした。回折強度の弱いセメンタイト相の測定に焦点をあてて、集合組織の強い試料と弱い試料を作製して実験し、相応力のみでなくフェライトブロック間の応力分配挙動も明確に示すことができた。
パーライト鋼では、強伸線加工によりセメンタイトが分解する。これを再加熱するとセメンタイトは再析出する。セメンタイトが存在しない高炭素鋼という点からは、焼入れマルテンサイトと同じなので、両者の中性子回折プロファイル、焼戻し(焼鈍)に伴う軟化挙動および引張特性を調べて比較したところ、両者はまったく異なる特性をもつことが明らかになった。強伸線材の高強度発現の原因を探る目的で、中性子角度分散法(原研RESAを使用)および飛行時間法(高エネ研SIRIUSを使用)による引張中のその場中性子回折実験を行った。その結果、フェライトの(110)格子面間隔が2%も弾性的に広がること、すなわちフェライト母相自体が強化されていることがわかった。しかも、高応力域では応力とひずみの関係は非線形であり、かつ可逆的である。回折プロファイルからは、強伸線加工により一部の炭素が格子内に強制固溶され正方晶化されていること、その軸比が高応力下では低下することが見いだされた。また、このような伸線材の焼鈍による回復再結晶挙動を調べ、通常の材料とは異なりナノ組織材料の挙動に近いことを明らかにした。
フェライト単相合金に強伸線加工を施してナノ組織化した材料を作製し、上記と同様な実験を行い、セメンタイト(C量)の影響を検討した。焼鈍による組織変化は、通常の回復再結晶という過程を経ず、強加工中にすでに連続再結晶化していると推定された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] A.Kanie, Y.Tomota, N.Minakawa, T.Kamiyama: "Strength of Cementite in Pearlite Steels"Current Advances in Materials and Processing ISIJ. 16巻3号. 484-487 (2003)

  • [文献書誌] T.Suzuki, Y.Tomota, A.Moriai, N.Minakawa: "Strength Difference Effect in a Drawn Pearlite Steel Wire"Current Advances in Materials and Processing ISIJ. 16巻3号. 487-489 (2003)

  • [文献書誌] Y.Tomota, O.Watanabe, A.Kanie, A.Moriai, N.Minakawa, Y.Morii: "Effect of carbon concentration on tensile behavior of pearlite steels"Materials Science and Technology. 19巻12号. 1715-1720 (2003)

  • [文献書誌] 蟹江厚臣, 友田 陽, 鈴木徹也, 鳥居周輝, 盛合 敦, 皆川宣明, 森井幸生, 神山 崇: "中性子回折によるパーライト組織鋼における加工硬化機構の考察"材料. (掲載決定). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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