研究課題/領域番号 |
13450286
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
土井 稔 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (60135308)
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研究分担者 |
榎本 美久 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (70194008)
小坂井 孝生 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (80110253)
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キーワード | 相分離 / 弾性拘束 / Ni合金 / Fe合金 / 組織粗大化 / 整合析出 |
研究概要 |
1)Alを16〜19at%、Vを16〜22at%含むFe-Al-V規則合金では、973Kの時効によりD0_3規則相が相分離を起こしてD0_3+A2の二相組織が現れる。この二相組織には、D0_3マトリックス相中のA2不規則相が不定形の場合と球状の場合がある。不定形の場合、二相組織の粗大化は通常のオストワルド成長理論どおり時効時間の1/3乗に比例して進行する。球状粒子の場合、組織の粗大化はオストワルド成長よりも遅く、時効時間の1/4乗〜1/5乗に比例して進行する。 2)Fe-16at%Al-18at%Co合金では、923Kの時効によりA2相が相分離を起こしてA2+B2の二相組織が現れる。B2粒子は時効初期には時間の1/3乗に比例して粗大化してゆくが、時効が進むと粗大化速度は減速する。この粗大化の停滞と同時に、B2粒子のサイズ分布はシャープになる。 3)Ni-8.5at%Al-5.4at%Ti合金では、高温時効によりγ相が相分離を起こしてγ+γ'の二相組織が現れる。この二相組織を低温時効すると、先に析出した立方体状γ'粒子中に新たにγ相が現れる。この組織は通常のオストワルド成長とは異なった粗大化挙動を示す。 4)オストワルド成長理論の示唆とは異なった上記のような粗大化現象は、過時効し難い安定性に優れた二相組織に適した好ましい特性である。"低速"粗大化に対しては、整合性に基づく弾性拘束、時効前の規則相マトリックスの構造(組織)、などが影響している。
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