研究課題/領域番号 |
13450286
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
土井 稔 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (60135308)
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研究分担者 |
森谷 智一 名古屋工業大学, 工学研究科, 助手 (50362322)
榎本 美久 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (70194008)
小坂井 孝生 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (80110253)
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キーワード | 相分離 / 弾性拘束 / Ni合金 / Fe合金 / Ti合金 / 微細組織 / 整合析出 / 弾性効果 |
研究概要 |
1)Fe-15mol%Si-13mol%V合金を1473Kにて加熱後焼き入れると、不規則相A2マトリックス中に整合規則相であるDO_3相粒子が現れる。このDO_3析出粒子は、923K時効により相分離を起し、A2相粒子を析出する。 2)Ni-8.5mol%Al-5.4mol%Ti合金を1213Kにて時効後焼き入れると、不規則相γ(Al相)マトリックス中に整合規則相であるγ'粒子(Ll_2相)が現れる。このγ'析出粒子は、1213Kないし1023K時効により相分離を起し、γ相粒子を析出する。 3)析出規則相がさらに相分離を起すことによって形成されたA2+DO_3およびγ+γ'の2相組織の粗大化は、従来のオストワルド成長理論が示唆する粗大化速度よりもゆっくりと進行する、すなわち粗大化は抑制される。 4)A2+DO_3およびγ+γ'の組織粗大化が抑制されるとともに、機械的性質の劣化も抑制される傾向にある。 5)上記弾性拘束系における組織変化を理解するためには、整合粒子/マトリックス間の格子ミスフィットに基づく弾性エネルギーの効果(弾性効果)、化学的自由エネルギーの効果、さらには粒子/マトリックス間の界面エネルギーの効果を考慮する必要がある。 6)Ti-Al合金では、不規則α-Ti相およびTiAl金属間化合物相が相分離を起し、それぞれTi_3Al粒子およびTi_3Al_5粒子が析出する。これら規則相整合粒子の形態変化にも弾性エネルギーが大きく影響している。 7)耐熱合金に好ましい組織である"粗大化し難い安定な2相組織"を得るためには、弾性効果を利用すること、規則相の相分離を利用すること、などが有効である。
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