• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

接合界面組織発達過程における局所組織状態の役割

研究課題

研究課題/領域番号 13450295
研究機関大阪大学

研究代表者

柴柳 敏哉  大阪大学, 接合科学研究所, 助教授 (10187411)

研究分担者 前田 将克  大阪大学, 接合科学研究所, 助手 (00263327)
キーワードモンテカルロシミュレーション / 析出 / 界面・粒内核生成 / 熱サイクル / 7454Al合金 / スパッタ膜 / 超塑性 / Sic / TiAl拡散接合界面
研究概要

本年度は、析出反応を生ずる場合の組織形成過程をシミュレートするシステムの構築、7475Al合金をターゲット材にしたスパッタ膜の高温組織変化ならびにSiCと金属間化合物TiAlとの固相拡散接合界面組織の解析を行った。
析出過程のシミュレーションにおいては、粒界と粒内のそれぞれまたは両方ともを核生成サイトに設定できるようにし、核の数と発生場所はランダムに選択できるようになっている。析出反応は温度場一定の下で進行すると仮定した。粒界・粒内両方から反応が進行する場合には、両者の競合関係が発生し、相対的な界面移動速度の比によりそれぞれの面積率の変化が異なることが再現された。また、温度を変化させて、高温域では析出物の再固溶現象と粒成長現象が進行し、低温域では析出反応が進行すると仮定して計算を行った結果、析出物で再構成された固体空間が高温域では母相単相状態となり、析出前の母相組織が微細化されている結果を得た。さらに析出を続けると再度微細領域に空間が分割されることが再現された。本シミュレーションモデルを用いることにより、最適な結晶粒サイズ状態を得るための温度履歴の策定が可能になる。また、変態前後における方位関係を規定することにより、結晶粒方位分布や粒界性格分布の制御への基礎的知見を与えることも可能になった。
次に、7475Al合金をターゲット材にしたスパッタ膜の実験では、500nm程度の微細結晶粒組織を得ることに成功し、さらにこの膜が580℃近傍で370%ほどの超塑性伸びを示すことを実験的に明らかにした。結晶粒組織が板厚方向へ伸長した柱状組織であることから、従来の粒状組織の材料とは異なるタイプの粒界関与現象であると考えている。
SiCと金属間化合物TiAlとの固相拡散接合界面組織の解析では、本系4元化学ポテンシャル図を世界で初めて作成し、界面反応を系統的に理解できるようにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Maeda, R.Oomoto, T.Shibuyanagi, M.Naka: "Solid-State Diffusion Bonding of Silicon Nitride Using Titanium Foils"Metallurgical and Materials Transactions A. 34A・8. 1647-1656 (2003)

  • [文献書誌] M.Maeda, O.Igurashi, T.Shibayanagi, M.Naka: "Solid State Diffusion Bonding of Silicon Nitride using Vanadium Foils"Materials Transactions. 44・12. 2701-2710 (2003)

  • [文献書誌] T.Shibayanagi, M.Maeda: "Characteristics of Microstructures In FSW Joints of 6061/5083 Dissimilar Al Alloys"Proceedings of DIS'03, July 14-16(2003), Vienna, Austria. (CD-ROM). (2003)

  • [文献書誌] T.Shibayanagi, M.Maeda: "Local Microstructure Parameters in Polycrystalline Materials and Design of Interfacial Microstructure of Joints"Proceedings of 30th Anniversary International Symposium of Joining and Welding Research Institute, JOINING 03. 209-212 (2003)

  • [文献書誌] T.Shibayanagi, M.Maeda: "Local Microstructure Parameters in Polycrystalline Materials and Design of Interfacial Microstructure of Joints"Transactions of JWRI. 32・1. 127-130 (2003)

  • [文献書誌] 柴柳敏哉: "EBSPによる材料組織解析"高温学会誌. 29・4. 123-132 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi