研究概要 |
平成13年度においては,X線マスク厚さによって,レジスト加工深さが制御できることが確認された.またレジスト加工深さと関連パラーメートを入れたレジスト加工深さモデル式を作り,実験値との比較を行ったが,定性的にはよく合致しているが,定量性にかけているという課題が発生した. そこで今年度はモデル式の再検討,各種材料によるX線マスクを作成し,モデル式の妥当性の検証,そしてデバイスへの適用を行いその有用性を確認した.またマイクロ金型の作製,このマイクロ金型によるマイクロ成形技術の開発を通して,一連のトータルプロセスを作り,デバイス展開,その有効性を確認した. その結果,(1)Si固体半導体検出器(SSD)により,これまで行われてなかった電子蓄積エネルギー1.0GeV時,1.5GeV時の放射光ビームからエンドステーションまでの各部分の光エネルギー特性を初めて測定し,計算値と比較した.その結果をもとにレジスト加工深さのモデル式を再検討した,(2)各種材料によるX線マスクを作成し実機によるレジスト加工深さ結果からレジスト加工深さのモデル式の妥当性を検証した,(3)Ni電鋳によるマイクロ金型の開発,エンボシングによる成形技術の確立を図り,マイクロトータルプロセスを開発した,(4)これまで得られた結果をもとにデバイスの適用として,2.5インチ50μm以下の円柱ドット形状,テーパー形状の構造をもつ液晶ディスプレーライティングパネルの導光板を設計,試作した.その結果,市販の導光板より2倍以上の光効率が得られた.またテーパー状のものは円柱状のものに比べ1.5倍以上の特性が得られ,その有効性が確認された. 残された課題として,(1)X線マスクの表面粗さに対し,加工後のレジスト表面粗さが悪化,(2)任意3次元形状のためのX線マスクの作成技術,(3)デバイスヘの更なる展開などがある.
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