研究課題/領域番号 |
13450302
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
中山 泰秀 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (50250262)
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研究分担者 |
大屋 章二 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室員 (80311447)
植田 初江 国立循環器病センター研究所, 病理部, 医長
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キーワード | ジチオカルバメナ / 高分子表面 / 光反応 / 光イニファタ / グラフト重合 |
研究概要 |
固体表面に対する液相からの蛋白質吸着挙動とその物理化学的特性に対する基礎的理解の確立は、生体適合材料の表面設計に有益な指針を与えるため重要な課題である。この課題に対し今回我々は、蛋白質(アルブミン、γ-グロブリン、フィブリノーゲン、およびリゾチーム)を化学固定したプローブチップを用いた原子間力顕微鏡によるフォースカーブ測定を、アルカンチオール自己組織化単分子膜表面と、光イニファタグラフト重合法により作成したポリマーグラフト表面の各表面について行い、それらの表面と蛋白質間に働く相互作用力の特性を解析した。上記各蛋白質とそれらの表面間の付着強度および相互作用距離について議論する。一方、表面にジチオカルバミル基を導入したガラス上でのNIPAMのグラフト重合により、鎖長の異なるNIPAMグラフト重合表面を作成した。この表面の温度変化によるグラフト膜の厚さの変化を、原子間力顕微鏡(AFM)によるフォースディスタンスカーブ測定およびグラフト-非グラフト領域の段差測定により調べた。重合時のNIPAM濃度の増加によりグラフト鎖長の増大により、グラフト膜厚が増大した。25℃ではPNIPAM層が水和しているが、温度の上昇により、NIPAM鎖の脱水和によるグラフト層の凝集を反映したグラフト膜厚の減少が観察された。温度変化によるNIPAMグラフト重合膜の厚さの変化が微視的レベルで観察することができた。
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