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2003 年度 実績報告書

ゼオライト結晶内における超強酸点の触媒機能

研究課題

研究課題/領域番号 13450333
研究機関鳥取大学

研究代表者

丹羽 幹  鳥取大学, 工学部, 教授 (10023334)

研究分担者 奥村 和  鳥取大学, 工学部, 助手 (30294341)
片田 直伸  鳥取大学, 工学部, 助教授 (00243379)
キーワードゼオライト / 固体酸性質 / ブレーンステッド酸 / アンモニア / 昇温脱離 / 赤外線スペクトロスコピー / パラフィン / 接触分解
研究概要

昨年度までの研究に引き続き,高温におけるアンモニア脱離(h^+-)ピークの生成を検討した.アンモニア水による処理によってh^+-ピークに帰属される酸点が増加する.この酸点は一つが骨格外Al,もう一つが骨格内のAlからなるものであり,オクタン分解に高い活性をもつ.これに対し,酸で処理した場合にもh^+-ピーク濃度が増大するがオクタン分解活性はむしろ低下し,骨格内Al一つ,またはこれに加えて,もう一つの骨格外Alからなる.このように,一見同じようながh^+-ピークがあらわれるが,調製条件により二種類の異なる酸点が得られることがわかった.
NH_4YをスチーミングしてUSYを調製し,これをさらにEDTAで処理することによって,パラフィン分解に非常に高活性な触媒が調製できる.この活性サイトがどのように調製され,どのような構造をもつかを研究した.NH_4Yをin situで調製したHYの酸点強度はよわく,活性はほとんどない.USYとすると,骨格外にAlが多量存在し,さまざまな活性サイトが得られる.これをさらにEDTA処理し最終的に得られた高活性触媒には,強度の強いBronsted酸点が存在しており,Lewis酸点は著しく抑制されていることがわかった.また,最近のIR-TPDによる解析によって,EDTA-USYには,NH_4Yには見られない強いBronsted酸点が認められた.つまり,USY調製によってパラフィン分解に高活性なBronsted酸点が作られており,その濃度がEDTA処理によって高められたか,これを邪魔していた骨格外Alが除かれたと考えられる.
なお,IR-TPD実験とは,IRで吸着種を観察し,同時にMSで脱離アンモニアを測定する新しい方法で,この方法をつかって,酸性質をキャラクタリゼーションした.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Matsuura et al.: "Additional Acid Site on the HZSM-5 Treated with Basic and Acidic Solutions as Detected by Temperature Programmed Desorpition of Ammonia"Microporous and Mesoporous Materials. 66(2-3). 283-296 (2003)

  • [文献書誌] 丹羽 幹, 片田直伸: "アンモニア昇温脱離法によるゼオライトと金属酸化物薄層の固体酸性質"表面科学. 24(10). 635-641 (2003)

  • [文献書誌] N.Katada et al.: "Acidic Property of Modified Ultra Stable Y Zeolite : Increase in Catalytic Activity for Alkane Cracking with Ethylenediaminetetra-"Journal of Molecular Catalysis, A : Chemical. 211. 119-130 (2004)

  • [文献書誌] 丹羽 幹, 西川慎治, 片田直伸: "アンモニアのIR-TPD法によるβゼオライトのキャラクタリゼーション"触媒. 46(2)(印刷中). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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