研究課題/領域番号 |
13450353
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
甲斐 泰 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40029236)
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研究分担者 |
松村 浩由 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30324809)
金久 展子 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (20177538)
井上 豪 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20263204)
望月 衛子 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教務員 (10150335)
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キーワード | C4植物 / トウモロコシ / 炭酸固定酵素 / PEPカルボキシラーゼ / 活性調節因子 / PEPC-Protein Kinase / X線構造解析 / 分子機構解明 |
研究概要 |
我々は、ホスホエノールピルビン酸に炭酸水素イオンを固定するホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)の立体構造を、世界に先駆けて決定することに成功した(Proc. Natl. Acad. Sci. USA,96,823-828(1999))。これは、フィードバック阻害因子であるアスパラギン酸との複合体を構造解析したもので、アスパラギン酸の結合様式が明らかとなった。 現在、我々はC4植物のトウモロコシ由来PEPCについてその立体構造の解析を進めている(Act a. Crystallogr.. D55,1937-1938(1999).)。それらの結果を元に、現在解析が進行中のトウモロコシ由来PEPCと大腸菌由来PEPCの立体構造比較を行った。トウモロコシ由来PEPCは活性型の構造を示しており、大腸菌由来PEPCはフィードバック阻害因子が結合した不活性型を示す。これらを比較すると、トウモロコシ由来PEPCの活性部位がより溶媒にさらされており、基質が結合しやすくなっているのが明らかとなった。また、サブユニットの境界に存在するヘリックスバンドルに大きな構造変化が見られた。これは、アロステリックな活性調節を受ける際のグローバルな構造変化を意味していると解釈している。現在これらについて、投稿論文作成中である。 また、我々は、大腸菌由来PEPCのPEPアナログ(DCDP)複合体の構造解析も同時に行った。DCDPは活性部位の複数のアミノ酸と相互作用しており、この構造情報を元に、PEPCの炭酸固定反応機構を考案中である。 また、PEPCを特異的に認識するリン酸化酵素(PEPC-PK)については、我々はフラビリア由来PEPC-PKの大量培養及び精製方法の確立に成功し、微結晶を得ている。
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