研究分担者 |
松村 浩由 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30324809)
金久 展子 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (20177538)
井上 豪 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20263204)
望月 衛子 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教務員 (10150335)
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研究概要 |
我々は、ホスホエノールピルビン酸に炭酸水素イオンを固定するホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)の立体構造を、世界に先駆けて決定することに成功した(Proc.Natl.Acad.Sci. USA,96,823-828(1999))。そして本年度、植物酵素としては初めてトウモロコシ由来PEPCの立体構造解析に成功した(Structure,10,1721-1730(2002))。同時に、我々は大腸菌由来PEPCのPEPアナログ(DCDP)複合体の構造解析を行った。DCDPは活性部位の複数のアミノ酸と相互作用しており、トウモロコシ由来PEPCとの立体構造情報をうまく足し合わせることによって、PEPCの炭酸固定反応機構の詳細を提唱することができた。トウモロコシ由来PEPCは活性型の構造を示しており、大腸菌由来PEPCはフィードバック阻害因子が結合した不活性型を示す。これらを比較すると、トウモロコシ由来PEPCの活性部位がより溶媒にさらされており、基質が結合しやすくなっているのが明らかとなった。こうして、本酵素のアロステリック活性制御における構造変化を観察することができた。 もう一つの炭酸固定酵素であるルビスコの構造化学的研究についても大きな発展が見られた。緑藻由来ルビスコで初めて構造解析に成功し(J.Mol.Biol. 316,679-691(2002)、J.Mol.Biol.の表紙に採用された)、更に紅藻由来ルビスコではこれまで例を見ない活性部位に硫酸イオンが一つ結合したものの構造解析に成功した(FEBS Lett. 527,33-36(2002))。 昨年末、Arch.Biochem.Biophys.誌からPEPCに関する総説の依頼を受け論文を作成し、今春発表される予定である。
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