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2001 年度 実績報告書

フェムト秒レーザー照射によるセラミックスの構造制御

研究課題

研究課題/領域番号 13450356
研究機関京都大学

研究代表者

平尾 一之  京都大学, 工学研究科, 教授 (90127126)

研究分担者 藤田 晃司  京都大学, 工学研究科, 助手 (50314240)
キーワードフェムト秒レーザー / コヒーレントフォノン / チタン酸バリウム / 干渉計 / 分子構造
研究概要

試料として用いるチタン酸バリウム結晶は圧力ポーリングおよび電場ポーリングにより単一分域化処理したものである。良く知られているように,チタン酸バリウムは406±2Kにおいて正方晶から立方晶に相転移し,低温相である正方晶においては自発分極をもつ。この相転移を室温で超短パルスレーザーを用いて誘起するには次のようにした。まず、空間変調器センセサイザーを用いてコヒーレントフォノンをつくることを試みた。
基本的にはマイケルソン干渉計の繰り返しを用いた。ビームがビームスプリッタによって2つに分けられ,行路差をつけられた後(それぞれのアームの長さをI_1,I_2とする)また同じビームスプリッタによって同一ビームに戻され出射される。これによってτ=2(I_1-I_2)/c(cは光速)だけの時間差をもつダブルパルスを生成できる。これをN回(もちろん行路差はNτにセットする)繰り返し、2N個からなるパルス列を作ることができた。(こうした多段接続マイケルソン干渉計を実際に作成して用いた半導体超格子中のコヒーレントフォノン生成の研究も報告されている。)もっとエレガントな方法としては、いわゆる光シンセサイザーによる方法がある。これは,光のスペクトルの振幅と位相に適当な変調を与えることによって任意の時間波形を発生するものであり、不定間隔のパルス列や位相が少しずつ変わっているパルス列,偏光が異なるパルス列等の生成が確認されている。こうして作成したフェムト秒パルス列を用いてコヒーレントフォノンの生成を行えた。
コヒーレントフォノンの観測はボックスカーズ配置の誘導ラマン過程によって行った。すなわち、2つのポンプ光によってコヒーレントフォノンの定在波によって回折される強度を遅延時間を変えながらモニタした。コヒーレントフォノン生成を利用すれば,1テラヘルツ以上の振動数をもつ分子構造やフォノンを大振幅で発生することが可能であり,化学反応や構造相転移を光によって制御することが期待できる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 平尾一之, 藤田晃司: "光機能性を有する希土類イオン含有ガラス"未来材料. 第1巻 第12号. 20-25 (2001)

  • [文献書誌] K.Hirao: "Recent developments in nonlinear optical glasses"Proceedings of the International Congress of Glass. Vol.1. 28-29 (2001)

  • [文献書誌] K.Fujita, M.Nishi, K.Tanaka, K.Hirao: "Room-temperature photochemical hole burning of Eu3+ in sodium borate glasses"Journal of Physics: Condensed Matter. Vol.13. 6411-6419 (2001)

  • [文献書誌] K.Fujita, C.Yasumoto, K.Hirao: "Photochemincal Hole Burning of Sm^<2+> in Sodium Borate Glasses Induced by Near-Infrared Femtosecond-Laser Irradiation"Journal of the Ceramic Society of Japan. Vol.109 No.6. 484-488 (2001)

  • [文献書誌] K.Fujita, K.Hirao: "Photoinduced Valence Changes of Samarium Ions Inside a Silica-Based Glass with Near-Infrared Femtosecond-Lase Pulses: Materials for Three-Dimensional Optical Memory"Journal of Applied Physics of Japan. Vol.40. 1651-1652 (2001)

  • [文献書誌] K.Fujita, M.Nishi, K.Hirao: "Room-temperature photochemical hole burning of Eu3+-doped glass"Proceedings of SPIE. Vol.4282. 40-49 (2001)

  • [文献書誌] K.Hirao (分担執筆): "Proceedings of the International Scientific Colloquium on the Occasion of Otto Schott's 150^<th> Birthday"SCHOTT社. 39-66(28) (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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