研究概要 |
下記の実験A, B, Cを平行して進めた。 【実験A 410nmレーザー顕微鏡による強誘電体双晶類似構造の観察】 強誘電体双晶構造の存否あるいはその消失によりチタン酸バリウムの正方と立方の相の判別、あるいは正方から立方への相転移の検出を狙って標記観察を進めてきた。しかし、次の不可解な現象により目的を遂げられないことが判明した。即ち、200℃にて立方晶であるにも係わらず強誘電体双晶に酷似構造が観察され、さらに相転移温度において同構造の生成あるいは消滅の急激な変化が見られる。 【実験B 加熱下の粉末X線回折による相転移の検出】 拡散した回折線の分離により正方・立方晶相の判別を行ってきたが、確信的結論を得るには至らなかった。そこで、113、400回折の半価幅の温度変化が可逆的であることを測定し、水熱合成のBT-01は正方晶であると結論した。 【実験C 加熱下のラマン分光よる相転移の検出】 堺化学工業社製水熱合成のBT-01を各温度で予め加熱し,それらのラマン分光を試料を加熱・冷却しながら測定した。その結果、点群に許容されるラマン散乱自体の存否により相が判定できないことを明らかにすると共に、点群非許容散乱の散乱強度の急変で相転移が検出されると結論した。さらに、同合成粉ならびにその全温度加熱試料が室温で正方晶であると結論した。
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