研究課題/領域番号 |
13450398
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田原 弘一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (20207210)
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研究分担者 |
尾上 憲一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (70029429)
吉川 孝雄 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (00029498)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | アークジェット推進機 / 宇宙推進 / 電気推進 / プラズマ流 / プラズマ環境 / 宇宙飛翔体環境 / コンタミネーション / プラズマ診断 |
研究概要 |
本研究では、放電室内部を可視化できる、10kW級直流アークプラズマジェット推進機を製作し、作動ガスとしてアンモニア、窒素/水素混合ガスを用いてダイバージェントノズル内部と下流プルーム部からのプラズマ放射光の分光測定と探針測定を行った。各種粒子の励起特性温度と電子密度を求め、そのプラズマ状態を熱力学的観点から検討した。典型的な作動条件の時、作動ガスはコンストリクタ内で10000K程度まで高温に加熱された後(ほとんど温度平衡状態)、ノズル内で超音速膨張により、その温度は急激に低下していった。窒素分子の回転温度と水素原子の電子励起特性温度はノズル出口でそれぞれ1000-1500K,4000K程度まで減少した。しかしながら、NHラジカルの回転温度の低下は小さくノズル出口で8000K程度であった。ノズル内では極度に熱力学的非平衡状態にあることが予想される。また、電子密度はスロート内では10^<16>cm^<-3>のオーダーで高密度であったが、ノズル内では激減し10^<14>cm^<-3>程度になった。アンモニア及び窒素/水素混合ガスを用いた時、プルーム部では窒素分子の回転温度と振動温度は両ガス共にノズルを出た直後からほぼ一定となった。電子温度はノズル出口近傍でやや減少した。NHラジカルの回転温度は両ガス共にノズル近傍では約8000-9000Kでほぼ一定で高い値を維持していたが、アンモニアを用いた場合は50mm付近から低下していった。以上のようにNHラジカルの回転温度はガスの種類によりその特性が大きく異なるが、その原因の詳細はまだ不明である。さらに、平板を下流ジェット内に設置した場合、各種温度は基板直前である一つの温度に近づき、熱力学的平衡状態に近づいていくことがわかった。
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